新型コロナ対策を所管する厚生労働相には3回目の登板となる加藤勝信氏を起用。経済安全保障相に高市早苗氏、デジタル相に河野太郎氏を充てた。高市氏と河野氏は共に昨年の総裁選で首相と争った。高市氏の起用には保守層からの支持の維持、河野氏については発信力への期待もある。

 自民党役員人事では、麻生太郎副総裁と茂木敏充幹事長を留任させ、最大派閥の安倍派に所属する萩生田光一氏を経済産業相から政調会長に回した。

 さらにメンバーが7人と最小派閥の森山派から森山裕会長を選挙対策委員長に起用した。森山氏は菅義偉前首相や二階俊博元幹事長に近く、岸田政権では「非主流派」に位置づけられていた。

 また、選対委員長から総務会長に横滑りした遠藤利明氏は、森派(現安倍派)を率いた森喜朗元首相と関係が深く、過去2回の総裁選で岸田首相の選対本部長を務めるなど首相の信認も厚い。

挙党態勢へ派閥領袖を相次ぎ起用

 党内第4派閥出身の岸田首相にとっては、党運営の安定には安倍派や第2派閥の茂木派、第3派閥の麻生派などとの協力が欠かせない。森山氏も含め派閥領袖を要職に起用することで、挙党態勢の構築を目指す構えだ。

 幹事長、政調会長、総務会長、選対委員長は「党4役」と呼ばれる。今回の党4役人事を巡り、岸田首相が政権運営のキーマンとして特に重視したのが萩生田氏の政調会長への起用だ。

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