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与野党内で安倍晋三首相が早期の衆院解散・総選挙に打って出るのではないかとの観測が広がっている。新型コロナウイルスへの対応などから慎重な見方が根強いが、政権の推進論者は「野党の準備が整わない間に衆院選をやれば勝てる」と首相をけしかけている。野党各党の合流や選挙協力への道筋はなお不透明で、野党内からは「このままでは与党を利するだけだ」との声が漏れてくる。

東京都知事選候補者の応援に駆け付けた枝野幸男・立憲民主党代表(中央)ら(写真:共同通信)

 衆院議員の任期満了は2021年10月だ。残り任期が次第に少なくなる中、与党内では衆院の解散・総選挙を巡る発言や駆け引きが活発になっている。

 自民党内からは年内解散の容認論が相次ぐ。二階俊博幹事長は6月23日の記者会見で、「年内解散は頭の片隅にもない」としたうえで、「常にいつ解散があってもいいという研ぎ澄まされた感覚で臨んでいかなくてはならない」と語った。

 安倍晋三首相に近い世耕弘成参院幹事長も同日の会見で「解散はいつあってもおかしくないという気持ちで臨むことが何より重要だ」と指摘した。

 こうした発言が相次いだのは、6月上旬に「年内解散」説が与野党の間で急速に広がったことが背景にある。