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通常国会が6月17日、閉幕した。新型コロナウイルスへの対応に追われる間に安倍晋三政権の基盤は揺らぎ、「ポスト安倍」レースに異変が生じるなど与野党を取り巻く風景は一変した。政界の関心は内閣改造・自民党役員人事、衆院解散・総選挙の時期、「ポスト安倍」レースの行方に向かっている。

(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

 「まさにコロナ対応の150日間だった」

 1月20日に召集され、6月17日に閉幕した通常国会について、安倍晋三首相は6月18日の記者会見でこう振り返った。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、特に3月以降の国会審議は新型コロナ問題一色になった。

 この間、政府・与党は緊急事態宣言の発出と全面解除など刻一刻と変わる感染問題の対応に追われた。2020年度第1次補正予算と第2次補正予算の合計で事業規模約234兆円、財政支出約60兆円という巨額の経済対策を用意。現在までのところ、日本は感染者数、死者数ともに相対的に少なく、安倍首相は「これまでの私たちの取り組みは確実に成果を上げており、世界の期待と注目を集めている」と語る。

支持率は過去最低タイに

 だが、報道各社の世論調査で安倍内閣の支持率は低下傾向が鮮明だ。日本経済新聞社とテレビ東京が6月5~7日に実施した世論調査では、内閣支持率は38%と5月の前回調査から11ポイントも下がった。新型コロナへの対応や辞職した黒川弘務・前東京高検検事長を巡る問題が影響したとみられる。

 この日経調査で、12年の第2次政権発足以降、支持率が40%を下回ったのはこれまで2回しかない。安全保障関連法を審議していた15年7月の38%と、学校法人「加計学園」を巡る問題が影響した17年7月の39%がそれだ。今回、支持率は過去最低タイまで落ち込んでいる。

 「閉会中審査を行うとはいえ、国会を閉じることで首相や閣僚が直接追及される機会が大幅に減り、給付金などの支援も広く届き出す。政府への批判は次第に落ち着いてくるだろう」。安倍首相の側近はこう期待を口にするが、自民党や霞が関の官僚の間では「今回は、安倍首相の求心力回復は容易ではない」との見方が支配的だ。