岸田文雄政権の経済政策が迷走気味だ。年金受給者らへの1人当たり5000円の給付案は与野党からの根強い異論を踏まえ白紙に戻して見直すことに。物価高への緊急対策を巡っては公明党が2022年度補正予算案を編成して今国会で成立させるべきだと強く主張し、補正予算の処理は参院選後とする自民党執行部と対立している。首相が掲げる「新しい資本主義」についても自民党内から「具体像が見えない」といった声が相次ぐ。背景にあるのが経済政策の司令塔不在と与党内の調整機能の低下だ。

 ロシアによるウクライナ侵攻を巡る対応や、新型コロナウイルス対策への評価などから内閣支持率が復調してきた岸田文雄政権。だがその陰で、経済政策運営の迷走ぶりもあらわになっている。

ウクライナ危機への対応で岸田文雄政権への支持は高まってきているが……(代表撮影=ロイター/アフロ)
ウクライナ危機への対応で岸田文雄政権への支持は高まってきているが……(代表撮影=ロイター/アフロ)

5000円給付案は白紙に

 その象徴が年金受給者らへの1人当たり5000円給付案の事実上の撤回だ。5000円給付案は自民党の茂木敏充、公明党の石井啓一両幹事長らが3月15日に岸田首相へ提言し、岸田首相も「しっかりと受け止めて検討したい」と応じていた。

 公的年金の支給額は物価と賃金変動を考慮して毎年改定する。賃金が下がれば連動して減る仕組みだ。2022年度の年金額が0.4%減額になる分を補うため、約2600万人に1回限りで5000円を配る案が想定されていた。

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