少子化対策の強化が国会論戦の中心テーマに躍り出ている。児童手当については与野党双方から所得制限の撤廃などを求める声が出ており、政府・与党は拡充に向けた検討を進める方針だ。子育て世代などへの住宅支援や教育負担の軽減策など幅広い政策メニュー案も浮上してきた。4月の統一地方選や衆院補欠選挙を見据えた与野党のアピール合戦の様相を呈する中、息の長い効果的な取り組みと財源をセットで示すことができるかが焦点となる。

 1月23日に召集された今通常国会。本格論戦の舞台となる衆院予算委員会では防衛力強化と防衛費増額の財源を賄う「防衛増税」の是非や、原子力発電所の活用を含む今後のエネルギー政策などが取り上げられているが、一気に中心テーマになってきたのが少子化対策だ。

 同日の施政方針演説で岸田文雄首相は「子ども・子育て政策」を最重要政策に位置づけたうえで、「従来とは次元の異なる少子化対策を実現したい」と強調した。具体策の検討を進め、経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)が決定する今年6月までに「将来的な子ども・子育て予算倍増に向けた大枠を提示する」と表明した。

茂木幹事長、突然の方針転換

 これにすぐさま反応したのが自民党の茂木敏充幹事長だ。25日の衆院本会議の代表質問で、自民党内の結論が出ていないにもかかわらず突然、児童手当の所得制限撤廃を提案したのだ。

(写真=つのだよしお/アフロ)
(写真=つのだよしお/アフロ)

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