岸田文雄首相が4日、就任から3カ月を迎えた。報道各社の世論調査で昨年12月の岸田内閣の支持率は、10月の発足時から軒並み上昇。新型コロナウイルス対策など政策面で問題が生じた際に速やかに修正を図る姿勢などが評価につながっている。今夏の参院選を乗り切ることを最重視する首相は、引き続き「安全運転」と臨機応変な対応で安定的な政権運営を目指すが、新型コロナ対策の成否や経済情勢などが先行きを左右しそうだ。

 「本年を、大胆に挑戦を行い、新たな時代を切り開くための1年としていきたい。一方で、慎重であるべきところは慎重に物事を進めていくという謙虚さを忘れないよう、肝に銘じる」

 岸田文雄首相は4日、三重県伊勢市の伊勢神宮に参拝した後の年頭記者会見で、今年の政権運営についてこう抱負を語った。

伊勢神宮参拝後の年頭会見に対応する岸田首相(写真:共同通信)
伊勢神宮参拝後の年頭会見に対応する岸田首相(写真:共同通信)

内閣支持率は堅調に推移

 昨年10月に発足した岸田政権。内閣支持率はこれまでのところ安定的に推移している。日本経済新聞社の12月の世論調査で内閣支持率は65%と、発足直後の10月から6ポイント上昇した。

 菅義偉前政権の発足時の支持率が74%だったのに比べ「発射台が低い」として、自民党内には衆院選への影響を不安視する声が出ていた。

 だが、その衆院選で自民党は261議席を獲得。単独で国会の安定運営に必要な「絶対安定多数」を確保したことで、今後の政権運営への期待が広がった。

 新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いていたことも追い風になっている。昨年12月の日経調査では、新型コロナ対応を「評価する」と答えた人の割合は61%と、10月から3カ月連続で上昇した。

 特に評価されているのが政府の水際対策だ。WHO(世界保健機関)が新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」を「懸念される変異型」に指定した3日後に政府は外国人の新規入国を原則停止すると表明。国土交通省が日本に到着する全国際線の新規予約の一律停止を航空会社に要請して混乱を招き、そのすぐ後に首相が陳謝して撤回する事態となったが、世論調査でこの対応を「妥当だ」と評価した人は88%に達した。

 この案件のように、いったん決めた政策に問題が生じた際に、迅速に軌道修正に乗り出す首相の姿勢もプラスに作用しているようだ。

 18歳以下への10万円相当給付を巡っては現金とクーポンの併用に自治体が反発したことを受け、全額現金で一括給付することも容認。予約停止要請の撤回に加え、昨年末には、オミクロン型感染者の濃厚接触者となった受験生に受験を認めない方針を文部科学省が打ち出したことに反発の声が上がるや、首相はすぐに事実上の撤回を指示した。

 自民党内では、こうした首相の対応に「朝令暮改政権と言われかねない」といった懸念の声も出ているが、首相周辺は「リスクの芽は早めに摘み取るに限る。これまではこの先手を打つ姿勢が功を奏している」と語る。

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