1990年代後半の金融不安時に新聞社の金融行政担当として霞が関に足を踏み入れました。気づけば20年以上、隣接する永田町を含む権力の中枢の日常をウオッチしてきたことになります。首相官邸や与党はどんな政策や外交を考え、主要官庁はどう対応していくのか。これからもキーマンの本音を盛り込みながら最新の動向をお届けします。(写真:PIXTA)
シリーズ
安藤毅の「永田町・霞が関のホンネ」

81回
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少子化対策、財源は視界不良 財務省は「防衛増税」への波及警戒
政府が6月1日、「次元の異なる少子化対策」の実現に向けた「こども未来戦略方針」の素案を公表した。毎月支給する児童手当の拡充を柱の一つに位置づけ、所得制限の撤廃や支給期間を高校生までに延長するなどし、2024年度中の実施を…
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ゼレンスキー氏来日でG7と結束アピール、岸田首相が得た「推進力」
主要7カ国首脳会議(G7広島サミット)が5月21日、閉幕した。ウクライナのゼレンスキー大統領がサプライズ的に対面で討議に加わる中、G7としてウクライナへの支援を継続・強化し、「法の支配」に基づく自由で開かれた国際秩序を維…
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少子化対策、たたき台実現のコストは最大8兆円 財源問題は難航必至
政府が3月31日、岸田文雄首相が掲げる「次元の異なる少子化対策」のたたき台を公表した。児童手当など経済的支援の強化や子育てサービスの拡充といった多様な政策を明記したが、裏付けとなる財源には触れなかった。政府は近く首相をト…
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西村経済産業大臣と議論 成長と所得の好循環は起こせるか?
日経ビジネスLIVEでは2月27日、「成長と所得の好循環は起こせるか? 西村経済産業大臣と議論」と題するウェビナーを開催。「国内投資の拡大、イノベーションの加速、国民の所得向上という3つの好循環の実現を目指す」と訴えてい…
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低成長ニッポンを襲う「中産階級貧困化×インフレ」 復活への道は
ロシアによるウクライナ侵攻から1年余りが経過した。食料やエネルギーなど輸入原材料価格の高騰で日本の2022年の貿易収支は過去最大の赤字を計上。原材料のコスト高は企業業績を圧迫し、生活必需品の価格上昇は低所得者層に深刻なダ…
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2/27開催 成長と所得の好循環は起こせるか? 西村経済産業大臣と議論
日本経済の先行きを左右する重要政策が大きく動くタイミングを捉え、日経ビジネスLIVEでは2月27日(月)18時から、「成長と所得の好循環は起こせるか? 西村経済産業大臣と議論」と題して、日本が今後進むべき成長の道筋や政府…
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少子化対策、与野党「全力投球」の舞台裏 統一地方選前に駆け引き加速
少子化対策の強化が国会論戦の中心テーマに躍り出ている。児童手当については与野党双方から所得制限の撤廃などを求める声が出ており、政府・与党は拡充に向けた検討を進める方針だ。子育て世代などへの住宅支援や教育負担の軽減策など幅…
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防衛力強化・少子化対策で論戦開始、岸田政権を占う通常国会召集
第211通常国会が1月23日に召集された。政府・与党は2023年度予算案などの早期成立を目指す。政府が22年末に決定した防衛力強化や原子力発電所の活用を含む今後のエネルギー政策、岸田文雄首相が強調する「次元の異なる少子化…
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1兆円超の防衛増税、「必然」の曖昧決着 税制改正大綱決定の内幕
自民、公明両党が2023年度与党税制改正大綱を決定した。焦点だった防衛費増額の財源を賄う増税策については法人税、所得税、たばこ税を組み合わせて対応する方針を示したが、自民党内の反発に配慮して実施時期などの詳細決定を先送り…
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防衛費増、「年内に財源決定」は不透明 自民党で強まる先送り論
岸田文雄首相が防衛費を2027年度に国内総生産(GDP)比2%に増額するよう関係閣僚に指示した。公共インフラや科学技術研究、海上保安庁など防衛省以外の関連予算も加えて安全保障を政府全体で担う体制への移行を目指す。向こう5…
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経済対策、「大盤振る舞い」に熱心だった岸田首相
政府が物価高への対応を中心とする総合経済対策を決めた。民間投資などを加えた事業規模は71兆6000億円程度で、国の一般会計歳出は29兆1000億円、財政投融資などを含む財政支出は39兆円程度となる。昨年の経済対策に続く大…
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防衛費増、財源に法人増税案 「財務省vs経産省・経済界」の行方
政府・与党が防衛力の抜本的な強化に向けた検討を本格化させている。政府の有識者会議に続き、10月18日には自民・公明両党の協議が始まった。相手のミサイル発射拠点などをたたく「反撃能力」の保有のあり方や、防衛費増額の規模と財…
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臨時国会「防戦」の岸田政権、主要政策への影響は?
第210臨時国会が3日、召集された。8月の内閣改造や9月の安倍晋三元首相の国葬後初の本格的な国会論戦が行われる。政府・与党は物価高対策の裏付けとなる2022年度第2次補正予算案などを早期に成立させることで内閣支持率の下落…
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岸田首相が人事で「萩生田政調会長」にこだわった理由
岸田文雄首相が8月10日、内閣改造・自民党役員人事を行った。世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の問題や物価高対応などを巡り政権への批判が強まる中、人事刷新で立て直しを図る。政権の安定のため麻生太郎自民党副総裁や茂木敏充幹…
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23年度予算 「防衛費優先、GX債・少子化対策財源先送り」論浮上
各省庁が2023年度予算を要求する際の概算要求基準が決まり、予算編成作業が本格化する。歳出総額の上限は10年連続設けず、防衛費や脱炭素推進、少子化対策など要求額に上限を設定しない「事項要求」を認めるテーマが相次ぐ。年末の…
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参院選、自民が大勝 安倍氏不在、問われる岸田首相の「決断と実行」
第26回参院選が7月10日投開票され、自民党は改選124に欠員補充1を加えた125議席の過半数の63議席を単独で確保して大勝した。憲法改正に前向きな勢力は非改選議席と合わせ改憲の国会発議に必要な総定数の3分の2を維持した…
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追悼・安倍晋三元首相 「闘う保守政治家」の覚悟と素顔
凶弾に倒れた安倍晋三元首相は内政と外交の両面で強い指導力を発揮した。世論の賛否が割れるテーマでも批判を恐れず行動する「闘う保守政治家」を自任してきたが、素顔は誠実で弱さものぞかせる魅力あふれる人物だった。
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参院選公示、争点は岸田政権への評価と「物価高」対策
第26回参院選が6月22日公示され、7月10日の投開票に向けた18日間の選挙戦がスタートした。2021年秋に発足した岸田文雄政権への評価や、ロシアによるウクライナ侵攻を受けた物価高対策などが争点となる。自民、公明の与党が…
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「令和臨調」が発足大会 民主導の政治改革へ、3度目の挑戦
政治改革の前進や持続可能な財政・社会保障制度など国家的課題について提言する「令和国民会議」(令和臨調)が6月19日、東京都内で発足大会を開いた。経済界や学識経験者、労働界ら民間主体で議論を深め、先送りされてきた重要課題に…
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国民負担増論議は参院選後に先送り 問われる岸田首相の「決める力」
第208通常国会は6月15日、会期末を迎える。夏の参院選を控え政府・与党は安全運転に徹し、賛否が割れるような政策テーマの検討は軒並み参院選後に先送りした。政府が決定した新たな経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)には…
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