新型コロナウイルスの感染者数が世界で最多となっている米国において、大学の果たす役割が再認識されている。筆者が暮らすシリコンバレーでも、有力な医学部を持つ名門スタンフォード大学による地域への社会貢献が注目されている。

 スタンフォード⼤は3⽉17日に⼤学の閉鎖を決断した。大学の教職員や学生は基本的に自宅待機となったが、4月6日にオンラインで2019年度の最終四半期の授業を予定通りに再開している。

スタンフォード大学医学部内の新型コロナウイルス関連の研究

 スタンフォード大で最大規模の学部である医学部は、大学内だけでなくシリコンバレー地域に多くの病院を持つ。そして、新型コロナウイルスの治療や抗体検査など、先端の研究を続けており、担当する研究者の情報がインターネットで公開されている。その数は6月上旬の時点でおよそ60件に上る。

 「スタンフォード大は以前から、医学部内に多くのバーチャルプロジェクトがあり、それらに参加することにより異分野との連携が進んでいた。データサイエンスなど学内の他学部とも協力する体制ができている。新型コロナへの対応という特別な要因もあるが、これまで以上に連携が進んでいると感じている」

 スタンフォード大学医学部麻酔科にある創薬の研究開発機関、Stanford Laboratory for Drug, Device Development & Regulatory Science(SLDDDRS)のディレクターである西村俊彦医師はこう語る。

 ビデオ会議システムの「Zoom」の普及も異分野間の連携を後押ししている。医学部の各部局のトップやプロジェクトによるウェビナーも、頻繁に開催されているという。

約70のプロジェクトで、学者や研究者が新型コロナウイルスへの貢献を説明している

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り1648文字 / 全文2346文字

日経ビジネス電子版有料会員になると…

人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

オリジナル動画が見放題、ウェビナー参加し放題

日経ビジネス最新号、9年分のバックナンバーが読み放題

この記事はシリーズ「市嶋洋平のシリコンバレーインサイト」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。