米マイクロソフトの創業者であるビル・ゲイツ氏が2021年5月3日、離婚を発表した。ゲイツ氏に限らず、米国では一般人でも離婚に多額の費用と時間がかかる。精神的な苦痛もある。こうした課題をテクノロジーで解消するスタートアップが増えている。

 米アマゾン・ドット・コムCEO(最高経営責任者)のジェフ・ベゾス氏に続いて、ビル・ゲイツ氏が離婚を発表し、テクノロジー業界の富豪の離婚が相次いでいる。

ビル・ゲイツ氏は5月3日、離婚を発表した(代表撮影/ロイター/アフロ)
ビル・ゲイツ氏は5月3日、離婚を発表した(代表撮影/ロイター/アフロ)

 ゲイツ氏らのような富豪でなくても、米国で離婚するのは手続きが煩雑で、弁護士などの専門家に支払う費用がかさみ、時間もかかってしまう。円満離婚でも居住地の裁判所に認められないと離婚が成立しないのが一般的だからだ。平均で200万円程度の費用がかかるという。

 米国ではこうした離婚を取り巻く課題をテクノロジーで解決するスタートアップが多く存在する。いわばディボース(離婚)テックである。提供サービスには大きく3つある。まずは、専門家による手続きや円満解決の支援である。

円満離婚に私的ジャッジ

ウィボースのサービス画面。判定を出すまでのプロセスが書かれている
ウィボースのサービス画面。判定を出すまでのプロセスが書かれている

 シリコンバレー発のウィボース(Wevorce)は、円満離婚を支援するスタートアップだ。法律家など専門家による「プライベートジャッジ」のサービスを提供している。円満離婚を望む夫婦がそれぞれのアカウントを作って、ウエブサイトに必要な情報を⼊⼒。親権や財産分与の条件提示を受ける。それらに同意することで、裁判所に出向かず公的な記録も残すことなく、離婚の手続きを終えることができるという。

 サービスの利用料金は3450ドル(約37万6000円)で、「法廷に行かなくてもよく、プライバシーが守れる」を売り文句にする。離婚後に親権を共同で持ち続ける案を提供するサービスは5850ドル(63万7000円)となっている。

ディボースフォースのサービス画面。各分野の専門家を探すことができる
ディボースフォースのサービス画面。各分野の専門家を探すことができる

 円満離婚にも活用できるが、係争になりそうな場合に心強い情報源となりそうなのが、ニューヨークのディボースフォース(DivorceForce)だ。利用者と専門家のコミュニティーを構築している。離婚についての法制度、家計、住宅、子供、メンタルヘルスなど約20種の情報を記事として提供した上で、それぞれに関連する専門家のリストを提供する。

 離婚に直面した人は、離婚後の生活について冷静に計画することができない場合があるという。それをAI(人工知能)で支援していこうというスタートアップもある。これが2つ目だ。

次ページ 離婚後の家計をAIが予測