「後進国」ともいわれた日本のAI(人工知能)の研究が大きく変わりつつある。同分野の有力な国際学会「NeurIPS」では最高位に日本勢の論文が相次いで選ばれた。米中に量で追い付くため海外研究機関との連携などの施策が欠かせない。

 AI分野の有力な国際学会である「NeurIPS」。2020年12月にオンラインで開催された学会である異変が起こった。採択率が1%の優秀な論文として、日本勢が相次いで選ばれたのだ。

 NeurIPSでは、データを効率的に学習したり、学習したデータセットの中から特定のパターンを見つけ出したりする機械学習のアルゴリズムや、多層に重ねたニューラルネットワークを利用する深層学習のモデルやそれを応用したアプリケーションなどが取り上げられる。

 20年は9467通の論文が応募され、20%の1898件が採択。このうち「オーラル」と呼ばれる優れた論文に選ばれたのは約1%の106件だった。うち日本勢の論文が6件採用された。昨年は0件であり大躍進と言える。

「質では世界のトップに追い付いた」

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