子育て支援の充実で全国有数の人口増を達成している兵庫県明石市の隣で、神戸市が全国有数の人口減少に悩む――。こうした近隣自治体同士で人口を奪い合うケースをはじめ、局所最適の問題が全国で散見される。

 かつて高度経済成長期には田中角栄が打ち出した、成長のパイを分配することで国土の均衡ある発展を目指す「日本列島改造論」があった。約半世紀を経て、日本社会は一転して人口減少局面に入っている。ヒトもカネも限られる中、全国各地で“撤退戦”を強いられる今こそ、日本全体を調整する列島改造論が必要ではないか。

 東京一極集中、過疎、高齢化……。現場を歩きながら新たな列島改造論を「試考」する。

(写真:PIXTA)