10月28日(米国時間)に「メタ・プラットフォームズ(メタ)」への社名変更を発表した米フェイスブック。主力事業であるSNS(交流サイト)の名称を外す決断は驚きをもって受け止められた。元社員の告発などで高まる企業体質や管理体制の不備への批判をかわす狙いもあるとみられるが、長年にわたってVR(仮想現実)やAR(拡張現実)の事業に挑んできた歴史からすれば「既定路線」とも言える。ただし、その道のりは平たんではなさそうだ。

「フェイスブックファーストではなくメタバースファーストになる」
マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は、メタへの社名変更を発表したオンラインイベントでこう語った。「メタバース」とは、娯楽や仕事、交流などが可能な仮想空間のこと。「超越」を意味するメタ(meta)と「宇宙」を意味するユニバース(universe)を合わせた造語だ。ザッカーバーグCEOは「人々をつなぐのが我々のDNA」と述べ、現在のSNSの事業とメタバースの事業は同じ目的の上に成り立っていると説明した。
旧フェイスブックがメタバース関連で最初に目立った動きを見せたのは2014年。VRゴーグルを手掛ける米オキュラスVRを20億ドルで買収した。16年にはオキュラスの最初の製品「リフト」を発売した。その年はソニーグループがVRゴーグル「プレイステーションVR」を投入するなどVR関連の新製品が相次いだことから「VR元年」とも呼ばれた。ところが、VR関連の企業が期待したほど市場は成長しなかった。
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