さまざまな機能を取り込むことで、生活の中にiPhoneを浸透させてきたアップル。新型機では緊急事態に対処する新たな安心・安全に関する機能を導入し、利便性の高さを強調した。約3年ぶりに開催した今秋の新製品発表会でアップルがたびたび強調したのは、ヘルスケアや緊急事態に対応する数々の機能だ。例えば、Apple Watchはセンサー類を刷新。心電図(ECG)や心拍測定、血中酸素飽和度の推定、転倒検出などに、異常があれば通報(緊急SOS)できる機能を追加した。

Apple Watch Ultra/Series 8の発表の様子。フィットネスアプリに加え、衝突事故を検出し、自動で通報する機能を備える
Apple Watch Ultra/Series 8の発表の様子。フィットネスアプリに加え、衝突事故を検出し、自動で通報する機能を備える

 2022年9月、IT業界の「秋の風物詩」となった米アップルの新製品発表会が、3年ぶりに本社会場で開催された。同社が発表したのは、スマートフォン「iPhone」や腕時計型端末「Apple Watch」、ワイヤレスヘッドホン「AirPods Pro」の新製品である。中でも長い時間を割いて説明したのが、iPhoneやApple Watchだ。

 「iPhone 14」シリーズ4機種を発表し、Apple Watchでは、標準モデルの新機種「Apple Watch Series 8」と廉価版モデル「Apple Watch SE」の新型に加えて、アウトドア向けに耐久性を高めた「Apple Watch Ultra」を発表した。

 今回の発表会でアップルが強調したのが、ヘルスケアや緊急事態用の機能の数々。例えば、Apple Watchは既に日常の健康管理を促すフィットネスアプリに加えて、心電図(ECG)や心拍測定、血中酸素飽和度の推定、転倒検出などを可能にしてきた。

 生活に不可欠な製品であると強調すべく、発表会では新たな安全機能の説明に時間を割いた。大きく2つある。1つが、衝突事故の検出機能だ。iPhone 14シリーズとApple Watch Ultra/Series 8に搭載した。

新製品の 「iPhone 14 Pro Max」
新製品の 「iPhone 14 Pro Max」

 同機能は、例えば自動車の衝突事故が検出できる。加速度センサーやジャイロセンサーを刷新し、急な加減速や車体の向きの急変、エアバッグが開いたときの車内の気圧変化、衝撃音などを検知。衝突実験のデータや一般公開されている衝突事故のデータなどの分析から、事故を判定する。

 事故発生時にユーザーの意識がなかったり、iPhoneが手の届かない場所にあったりした場合に、機器が自動で緊急通報する。Apple Watch Ultra/Series 8も同様の機能を備えており、自動車の衝突事故を検出すると、Apple Watch側がユーザーに安否の確認を取り、10秒のカウントダウンを待っても反応がない場合、緊急通報サービスに電話をかける仕組みだ。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り1457文字 / 全文2564文字

日経ビジネス電子版有料会員になると…

特集、人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

ウェビナー【日経ビジネスLIVE】にも参加し放題

日経ビジネス最新号、10年分のバックナンバーが読み放題

この記事はシリーズ「根津禎のシリコンバレーTech-On!」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。