米アップルが米国時間の4月20日に発表した紛失防止タグ「AirTag(エアタグ)」が波紋を呼んでいる。バッグなどに付けてスマートフォンから探せる紛失防止タグへの参入は以前から噂されていたこともあり、製品を発表したことへの大きな驚きはなかった。ところが、あるスタートアップ企業がアップルにかみついた。紛失防止タグの市場で先行していた米タイルだ。
「プラットフォーマーという優位な立場を利用しており、反競争的だ」。タイルの最高プライバシー責任者を務めるクリステン・ダル氏は4月21日に開催された米議会上院の公聴会でアップルをこう批判した。

そもそもAirTagはどんな製品なのか。近距離無線の「ブルートゥース」を使ってスマホの近くにタグがあるかどうかを判定するのは一般の紛失防止タグと同じ だ。特徴は大きく2つある。1つは、数十センチメートル以下の精度で場所が分かること。「UWB(ウルトラワイドバンド)」と呼ばれる無線技術を採用して実現した。タグが近くにある場合、iPhoneの画面にタグとの距離と進む方向を表示して案内する。
特徴のもう1つが、10億台におよぶ稼働中のアップル製品を連携させた広範囲のネットワークでタグを探せることだ。タグを取り付けておいた荷物を紛失したときに、どの地点にあるアップル製品の近くにタグがあるかを調べられる。
19年からアップルとの関係にヒビ
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