3月中旬から米国の各地域・各州でロックダウン(都市封鎖)に突入したものの、新型コロナウイルスによる感染の広がりがなかなか収束の兆しを見せない。そんな中、4月に入って米アップルや米グーグルがそれぞれ、各地域や都市などの人の移動傾向を示すデータを公開し始めた。

 新型コロナ感染に関する状況の可視化を進めるのはアップルやグーグルだけでない。米国の自治体も積極的に提供している。中には、人工呼吸器の利用率までを公開する自治体もある。こうした可視化が進む理由は、不要不急の外出禁止や生活必需品以外の店舗閉鎖などが行われている「Shelter in Place」と呼ばれる状況下にある米国の街の様子や新型コロナの感染状況を鑑みると見えてくる。

 例えば、日経BPシリコンバレー支局があるパロアルトが属するカリフォルニア州サンタクララ郡やサンフランシスコなど、ベイエリアを中心とするカリフォルニア州7郡では2020年3月17日から不要不急の外出が禁止された。2日後の19日には、同州全土が対象になった。医療・救急、警察・消防、軍、物流、食料品店、ドラッグストア(薬局)、インフラ関係などの日常生活に必要不可欠(「Essential」)と定義された仕事に就く人々(「Essential Worker」)を除いて、不要不急の外出が禁止されている。我々のような報道機関(Media)も例外とされ、外出が許されている。

 一般的な人々は、病院や薬局に行く、食料を買いに行く、健康維持のための散歩やジョギング、犬の散歩、といった外出しか許されていない。これらが目的の外出であっても、感染予防のために人と6フィート(約183cm)の「ソーシャルディスタンス」を確保することが求められる。そのため、レストランはテークアウトのみとなり、理髪店も閉店した。公園の芝生などの広いスペースは入れるものの、滑り台やうんてい、ブランコといった遊具があるスペースは利用を禁止するため閉鎖された。

それでも公園などには多くの人が

 カリフォルニア州はニューヨーク州などに比べいち早くロックダウンに動き、米国の中では感染拡大を押さえ込んだエリアと見なされる。ただ、シリコンバレーの住人や店舗では当初、そこまで厳密にソーシャルディスタンスなどのルールを守っていたわけではなかった。外出禁止令が発令される前から、多くの保育園や小学校などの教育機関は閉鎖され、大手IT企業を中心に在宅勤務が推奨されるなどで、外出する人は減っていたものの、街中では6フィートより短い距離で立ち話する人を頻繁に見かけた。外出禁止令が出てから初めての週末にあたる3月21日(土)や22日(日)には、運動や気晴らしのために郊外にある、敷地が広い国立公園や州立公園、海辺、トレイル(登山道や自然歩道など)に多くの人が集まるようになった。

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