全2295文字

 米サンフランシスコ市で2月24~28日(現地時間)に開催されたサイバーセキュリティーの世界最大級のイベント「RSA Conference(RSAC) 2020」の参加者に、新型コロナウイルスの感染者が少なくとも2人いたことが判明した。

 運営側がその事実を明らかにしたのは3月10日。新型コロナの感染拡大が懸念される状況で、早々に中止を決める大型イベントがある中、RSAC 2020は開幕に踏み切った。2月25日にはサンフランシスコ市が新型コロナウイルスに対する緊急事態宣言を出したものの、開催をやめることはなかった。この判断は、結果的に裏目に出た。

RSA Conference 2020を開催した米サンフランシスコのモスコーニセンター

 RSACのような、毎年数千~数万人の参加者を見込む米国の大型イベントは2月を最後にほぼ打ち止めとなった。3月以降に開催予定だったITやエレクトロニクス、製造、自動車、航空といったテクノロジー分野の大型イベントは軒並み中止や延期に追い込まれている。これまでは主に5月上旬までのイベントが対象だったが、6月9~11日にロサンゼルスで開催予定だったゲーム業界最大級のイベント「E3 2020」も中止が決まった。

2019年のE3会場内の様子(出所:E3)

 さらに、参加者数が数百人ほどの学会やワークショップなども、中止の動きが出ている。3月11日に世界保健機関(WHO)が新型コロナの「パンデミック(世界的な大流行)」を表明したこともあり、2020年前半の大型イベントはもちろん、学会の開催も非常に難しい状況になっている。

 サンフランシスコ公衆衛生局(DPH)は3月13日、重要性が高いものを除いて、100人以上が集まるイベントを禁止すると発表。この措置は少なくとも4月30日まで続ける。加えて、持病がある人は10人以上の集会に参加しないように推奨した。ただし、公的サービス機関や交通、ホテル、オフィス、小売店、ショッピングモール、医療施設などは対象外。レストランの場合、100~500人を収容できる店は最大100人にとどめることで営業できるという。サンフランシスコ市では大型テックイベントよりも参加人数が少ない「ミートアップ」が多数開催されるだけに、影響は免れないだろう。