詐取金の受け取り役から、強盗の実行役まで、SNS(交流サイト)には闇バイトの募集情報があふれかえる。犯罪の首謀者が、最も危険な仕事を任せられる人を探している。報酬がいくら高額でも、絶対に割に合わない。
特殊詐欺グループを運営していたとして、有罪判決を受けた男性が記者の取材に応じた。刑期を終え、今は更生しているという男性は、「『出し子』は消耗品だった」と振り返る。
被害者からだまし取った現金をATMから引き出すのが出し子の役割だ。現金受領の現場に身をさらす必要があり、逮捕される可能性が最も高い。男性は「出し子はすぐに捕まる。そのたびに穴埋めしなければならず、人集めに苦労した」と語る。

SNSを見渡せば、出し子のほかにも、被害者から現金を直接受け取る「受け子」など、「闇バイト」の募集情報があふれている。慢性的な人手不足に悩む特殊詐欺の首謀者らが、「最も危険な仕事」を任せられる人材を広く物色しているのである。
近年、目立つようになったのが、「タタキ」の募集だ。強盗を指す隠語である。一部の特殊詐欺グループが強盗にまで手を染めるようになっており、1回当たり100万円や150万円といった、高額の報酬を提示している。
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