年末のかき入れ時に大人数の外食を控えようという動きが広がり、コロナ禍にさらされる外食店の苦境は深まっている。「常連客づくり」の重要性が一層高まるなか、ギョウザのサブスクリプション(定額課金)で会員約500人を集めたのが、ラーメン・定食チェーンの福しん(東京・豊島)だ。外食のサブスクは、焼き肉チェーンの「牛角」が一部店舗で開始したが、1カ月あまりで取りやめるなど難しさも指摘される。そのコツを福しんの高橋順代表に聞いた。
福しんは2020年1月下旬、月額500円(税込み)でギョウザ1人前(6個)が1日3回まで無料になる「福しんギョウザ定期券」を始めました。
高橋順・福しん代表(以下、高橋氏):何か新しいことをやりたいと思って。自分自身、動画視聴やスマートフォンでの雑誌購読、スポーツクラブなどサブスクに結構なお金を払っており、飲食店でもやれるかなと考えていました。その頃、外食向けのサブスクシステムを提供するfavy(東京・新宿)から情報が入りました(関連記事:「声が大きい常連客は上客じゃない」、外食に必要な正しい顧客管理)。
一方、1月に焼き肉チェーンの牛角さんがサブスクをやめたという話を知りましたが、サブスクの良い点はいつでもやめられるところ。だめなら1カ月で撤退すればいいと思って始めました(注:牛角は3月頃にもサブスクを試験的に実施したが、コロナ禍の影響もあって現在は実施していない)。

1973年生まれ。93年に簿記系の専門学校卒業後、建設業の会社へ入社。サービス業、システムエンジニアなどを経て、2000年7月に福しんを経営する父に頼まれて入社。07年から代表取締役社長。福しんは東京都内で32店舗を展開する。仕事帰りのサラリーマンの利用が多いという。
なぜメインのラーメンではなく、ギョウザをサブスクに選んだのでしょうか。
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