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 新型コロナ禍により事業継続の危機にさらされている観光業や運輸業、飲食業など救済するため、政府が打ち出した需要喚起策「Go Toキャンペーン」。国内旅行商品の代金の半額を付与する「Go Toトラベル」は、感染が再び増える中での事業開始となったため、大きな議論を呼んでいる。一方、需要が激減している外食店を支援する「Go Toイート」事業は、グルメサイトの草刈り場に成り果てようとしている。

「送客手数料」で潤うグルメサイト

 Go Toイート事業は「プレミアム付き食事券の発行」と「オンライン飲食予約に対するポイント付与」の2つの制度からなる。そのうち「ポイント付与」は、オンライン予約のみが対象で電話予約は含まない。オンライン予約は履歴を追いやすく、予約客のアカウントにポイントを付与したり、店舗の水増し請求を防いだりするのに便利なのは確かだ(ポイントの盗難については、「ネット予約でも残る電話対応、席在庫を巡る外食店の苦悩」を参照)。

 ただ、グルメサイト以外のインターネット予約システムには、予約客の直前のキャンセルを防ぐためにクレジットカードで事前に決済するサービスもある。電話予約であっても、決済履歴を基にポイントを付与すれば水増し請求は防げるはずだ。

 事業者向け説明会でも、上記の趣旨で電話予約が対象になるかとの質問が出たが、農水省の担当者は「オンライン予約が対象になっています」と回答した。

 実は電話予約は、大手グルメサイトにとって都合が悪い。グルメサイトは、ネット予約と電話予約の両方の窓口を外食店に提供している。ネット予約が入ると外食店はグルメサイトに手数料を支払っている(食べログなら、昼食1人100円、夕食1人200円)。しかし、電話予約の場合は「送客手数料」を受け取っていないケースがほとんどだ。

大手グルメサイトは、オンライン予約が入ると外食店から送客手数料を徴収している

 農水省は、Go Toイートの公募条件に、グルメサイトが外食店から得る月額の掲載料を無料とすることを挙げている。予約が少ないのに掲載料が負担になるようでは、外食店支援という趣旨にそぐわないからだ。