全3350文字

 グルメサイトと外食店の共存関係のほころびをテーマにした連載「グルメサイトという幻」。業界トップの食べログに対する外食店の不満を取り上げてきたが、口コミを投稿する複数の有名レビュアーからも店舗を評価する点数システムの現状に戸惑う声が寄せられた。

外食店はコロナ禍で経験したことがないほどのダメージを受けている(写真は緊急事態宣言後の4月8日、東京・渋谷)

 「料理も価格も変えていないのに、算出方法の変更で点数が一気に下がるのは外食店には死活問題。コロナ禍で大変な時なので、今こそ全力で外食支援にあたってもらいたいですね」。ある有名レビュアーは、食べログについてこう話す。

 7~8年前に投稿を始め、口コミ件数は2000件超。口コミ投稿者を表彰する「食べログレビュアーアワード」の受賞歴もあり、「おいしいのに知られていない外食店の応援」を目的に口コミを投稿している。「投稿のおかげで、お客さんが増えた」と外食店から喜ばれることも多いが、「また点数が下がっちゃったよ」と打ち明けられるケースも少なくないという。

 食べログの点数は、口コミの単純平均で算出されているわけではない。①食べ歩き経験が豊富なレビュアーの投稿ほど影響度が高い②影響度の高いレビュアーの投稿が多いほど点数は高い③スイーツやラーメンなどジャンルごとに影響度が変わる④原則、月2回更新する──など独自の基準を設けている。

 大阪府内のある喫茶店の例をみてみよう。口コミ約90件のうち、5.0が6割、4.0と4.5が計2割を占めるなど高評価が大半だが、点数は3.5を少し超える程度。東京や大阪、京都など都市部には口コミが100件未満、場合によっては20件程度でも4.5点を超える店がある。グーグルマップではこの大阪府内の喫茶店の評価は5点満点に迫り、高級店を上回る。喫茶店は食べログの有料会員、無料会員のいずれにも登録していない。

 「月2回の更新」で点数が大きく動くケースも少なくない。冒頭の有名レビュアーは、「食べログは個性を発揮するのが難しい場所になった。隠れた名店は別のサービスを使う手もあるのではないか」と話す。

レビュアーに届くやらせの勧誘

 食べログのレビュアーアワードで、「シルバー」を受賞した「ハラミ串」さんは、1年ほど前にインスタグラムでの投稿を始めた。8年前に食べログを始めた頃は、「悪い評判も掲載する懐の深さ」に共感できたが、「やらせ問題」が発覚してから大きく雰囲気が変わったためだという。