食べログ、ぐるなび、ホットペッパーグルメ──。外食店探しに欠かせない存在となったグルメサイトの地位が揺らいでいる。ここ数年でサイトの数が増えたことに加え、口コミ機能を充実させるグーグルマップや、若い世代に浸透するインスタグラムなどでお店を探す消費者が増加。グルメサイトの集客力に、外食店は疑いの目を向け始めた。新型コロナウイルスのまん延で危機を迎える外食店が、これ以上のコストをかける余裕もない。グルメサイトの選別が始まろうとしている。
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グルメサイトという幻

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「ステマ」法規制へ、暗躍する「食べログブローカー」の実態
広告であることを隠して、商品やサービスを宣伝する「ステルスマーケティング」の規制に消費者庁が動く。有識者の検討会がステマを規制すべきだとの報告書をまとめ、2023年中に規制する見通しとなった。どのようなものが規制対象にな…
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「食べログ」に賠償命令、点数の「ブラックボックス」にメス
グルメサイト「食べログ」を運営するカカクコムに、東京地裁が賠償金3840万円の支払いを命じた。韓国料理チェーン「KollaBo」を運営する韓流村が、「食べログが飲食店の評価点を算出する方法を変えたことで売り上げが減少した…
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貨幣処理機のグローリーが「ロッカー型」ドリンク店開業の深謀
券売機や釣り銭機などを手掛ける貨幣処理機大手のグローリーは12月15日、「ロッカー型店舗」を東京・原宿に開業した。スマートフォンで注文・決済を行い、店舗に設置したロッカーで商品を受け取るフルーツオレ専門店だ。
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ぐるなびが脱グルメサイト依存 ウーバー、PayPayと戦う険しき道
グルメサイトの老舗ぐるなびが、変革に苦心している。外食業界全体が、「コロナ前には戻れない」という危機感で経営モデルの再構築を急ぐなかで、グルメサイト中心の「販促支援」から「経営サポート企業」への脱皮を図る。ただ、ライバル…
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コロナ禍の窮地でも少ない外食M&A 「協力金黒字」が停滞招く
東京や大阪など19都道府県を対象とした緊急事態宣言が、9月30日まで延長された。その影響を最も受け変化を迫られている外食業界だが、ほかの産業で活発になっているM&A(合併・買収)がなぜかおとなしいという。M&A仲介大手の…
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テナント飲食店を救え! 三井不動産が「ビル丸ごと」サブスク
三井不動産がグループ拠点の東京・日本橋の商業施設「COREDO(コレド)」などに入居する外食店を巻き込んだサブスクリプション(定額課金)サービスを始めた。コロナ禍でオフィスワーカーや休日の人出が減り休業する店が増えて施設…
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シャープ・ヘルシオ、外食ECで挑む「調理家電のテスラ」
シャープのウォーターオーブン「ヘルシオ」を活用した外食のインターネット通販が7月に始まる。第1弾は青森県で育ったジャージー牛を使ったローストビーフ。食材に最適化した専用プログラムで希少な食材を調理し、「レストランを超える…
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コロナ禍でも粘り強いデート需要、初デートにふさわしい外食店とは
緊急事態宣言が解除されても首都圏で時短営業を強いられる外食店の危機は続いている。そんな中で粘り強さをみせるのが「デート需要」だ。恋人候補と、デートに行きたい外食店を同時に選ぶ、マッチングアプリDineを運営するMrk&C…
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グルメサイトの実力を「見える化」、手数料比の売り上げ約3倍に
コロナ禍で経営効率化の必要性が高まっている外食店で、グルメサイトの「実力」を明らかするITツールが登場した。店舗と顧客の接点がリアルからオンラインに移る今、顧客属性や販売データが分析しやすくなっている。
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「並一丁!」のほうが早い 吉野家の割り切りスマホオーダー
グルメサイト、予約システム業者、専業ベンチャー、キャッシュレス決済サービス――。様々な業種が、外食向けのスマホオーダーに参入している。ベンダー側の競争は既に「レッドオーシャン」の様相を呈しているが、外食店はどう活用すれば…
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お店はスマホの中にある、「デジタル外食店」という新業態
外食店の行列は勲章などではない──。カスタムサラダ専門店「クリスプ・サラダワークス」創業者の宮野浩史氏は、2014年に開業した1号店の店外に続く行列を見て、顔をしかめた。従業員は客をさばくことに集中し、待たされる顧客の満…
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コロナ禍で苦しむイートイン、 シェア型レストランという選択肢
新宿駅・西口地下にある「シェアレストラン」。カレー店とクリームソーダの専門店が同居している。コロナ禍で外食店の経営が苦しくなるなか、「ウィーワーク」でシェアオフィスが広まったように、リスクを分散する出店スタイルが定着する…
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ラーメン店の福しんがサブスクにギョウザを選んだ理由
コロナ禍で苦しむ外食店が注力する「常連客づくり」。サブスクは1つの有効な手段になりそうだが、焼き肉チェーンの牛角など、過去には撤退例ある。外食店のサブスクをうまく回す「コツ」は何だろうか。2020年1月に開始して会員が約…
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グルメサイトありきのGoToイート「時代に逆行している」
コロナ禍に苦しむ外食店支援を狙ったGo Toイート。グルメサイトに有利な設計や、ポイント付与制度を使った「錬金術」など課題を露呈した。外食企業ワンダーテーブル(東京・新宿)の秋元巳智雄社長は、イート開始前に農林水産省のヒ…
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急増する「ゴーストレストラン」は外食店を救うか
宅配・テークアウト特化型の「ゴーストレストラン」がコロナ禍で急増している。実はシェア型、フランチャイズチェーン(FC)型、直営型など様々なタイプに分かれており、今後の外食産業のビジネスモデルを変革する潜在力を秘めている。
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Go Toイート、年末のかき入れ時を前に早期終了か
コロナ禍で苦しむ外食店を救済するために10月1日に始まった政府の「Go Toイート」に関して、グルメサイトなどインターネットで来店を予約したらポイントがもらえる事業が、年末のかき入れ時を前に終了する可能性が浮上している。
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Go Toイート「錬金術」がグルメサイトの闇を暴く
10月1日に本格スタートした「Go Toイート」が、本来の趣旨から外れた「錬金術」として使われている。これまでも指摘してきたように、外食支援をうたいながら、グルメサイトを潤すように設計されているGo Toイートの問題点が…
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開業1年で26店の「究極のブロッコリー」 ヒットの裏に吉野家
ブロッコリーと鶏胸肉に、8種の特製ドレッシングかけるだけ──。デリバリー・テークアウト専門店「究極のブロッコリーと鶏胸肉」が、開業1年あまりで急速に店舗網を広げている。実は1号店はバーを間借りして始まった。その裏には、吉…
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「声が大きい常連客は上客じゃない」、外食に必要な正しい顧客管理
新型コロナ禍で外食経営の成功の方程式は崩れた。立地、集客、店舗形態などあらゆる点で見直しが迫られ、常連客の獲得が最重要課題となっている。再来店を促すための「正しい顧客管理」とは何か。新たな外食モデルに挑むfavy高梨巧社…
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もう1つの「Go To」問題(後編)電通再委託の影がイートにも
新型コロナ禍に苦しむ外食店を支援するための「Go Toイート」事業だが、あまりにグルメサイトを優遇する制度設計に、関係者から反発の声が上がっている。なぜこのような制度設計になろうとしているのか。
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