次々と新たなサービスを生み出し、社会インフラを変革するネット企業。ただ、競争環境は時々刻々と変わり、我が世の春は短い一盛一衰の世でもある。国境を越えて覇を競う新たな担い手の奮闘を追う。(写真:PIXTA)
シリーズ
ネット企業盛衰記

38回
-
転売天国にメスは入るか 競争の知恵働かぬ1円スマホ
携帯電話の販売代理店で、スマートフォンが値引きされて1円などで売られる「1円スマホ」。自分で使わない「転売ヤー」が稼いでいるなどと問題視されている。専門家は競争の知恵が働かないと指摘しており、政府はルール見直しの議論を急…
-
note上場、「広告なしモデル」の挑戦は市場に受け入れられるか?
2022年12月21日、コンテンツ投稿サイトの運営を手掛けるnote(ノート)が東証グロースに上場した。同社サービスは月間利用者数(MAU)が4000万人に上り、高い人気を誇る。しかし、22年4月時点で300億円以上と想…
-
後発でクレカ参戦のメルカリ、還元率「他社並み」で描く勝ち筋とは
クレジットカード事業への参入を発表したメルカリ。競争軸となりそうなクレカのポイント還元率は先行する他社並みにとどまる。後発での参入からどのような巻き返し策があるのか。メルカリグループ日本事業責任者の青柳直樹氏に聞いた。
-
ZHDがマイル戦略 LINE・ヤフー・ペイペイ連携のもどかしさ
Zホールディングス傘下のLINE、ヤフー、PayPayは新たに「マイル」を使って、消費者が買い物した際にペイペイのポイントを還元したり、企業の販売促進の機会を提供したりする事業を始める。存在感のある3社のグループ連携策だ…
-
サッカーW杯で特需のサイバー「ABEMA」 まだ見えぬ投資回収
サイバーエージェントが運営するインターネットテレビ「ABEMA(アベマ)」が、カタールで開かれているサッカーW杯の特需に沸いている。日本戦ではサービス開始以来、最高の視聴者数を記録した。サイバーはアベマをネット広告やスマ…
-
メルカリのアプリ、ビットコインを買える機能は両刃の剣
メルカリは2023年春、フリマアプリ内で暗号資産(仮想通貨)を購入できる機能を付ける。小口決済で使えるようになれば、仮想通貨の実用的な使い道として認知されるだろう。ただ、価格が下落すれば利用者が損をする構図は変わらない。…
-
好調米インディードのCEO リクルートから学ぶ長期志向
リクルートホールディングス(HD)が2012年に買収した米インディードは世界60か国・地域以上、月2億5000万人が使う世界最大の求人検索サイトに成長し、業績をけん引している。新型コロナウイルス禍に伴って働き方が変化して…
-
ITの老舗ジャストシステム、5年で営業益3倍超 教育分野で再成長
1979年創業のジャストシステムは、日本語入力システム「ATOK」などの製品で知られるIT(情報技術)分野の草分け的存在だ。そんな同社がこの5年で売上高2倍、営業利益3倍を超える成長を遂げている。制御・計測機器などのキー…
-
越境EC、円安・動画普及で沸く 流通総額2割増の大手も
日本と海外をつなぐ越境EC(電子商取引)事業者の流通総額が膨れ上がっている。円安など複数の要因が追い風になっており、大手サイトでは前年比2割の伸びを示す。動画で日本のアニメを見て、関連商品を求めるといった消費の新たな流れ…
-
米ペイパルが決済ユニコーンを3000億円で買収、日本企業物色のなぜ
ネット決済を手掛ける海外大手がなぜ今、日本市場を注視するのか。理由は大きく2つある。まずはキャッシュレスの普及が海外に比べて遅れており、市場の伸びしろがある点だ。そしてもう1つが……。
-
注文から10分で配達、欧米先行の「ダークストア」が日本で開業
欧州や米国、中国では既に急速に広まりつつある「ダークストア」。持つのはネット販売専用の物流センターのみで、客が来店するようなリアルな店舗は持たない。
-
お届けは「当日」から「最短15分」に、激化するEC宅配の時短競争
「当日」から「最短15分」に――。ネット通販の配達時間を巡る競争が激しさを増している。いかにして短時間で配達するのか。物流の新たな「ラストワンマイル戦略」。カギを握るのは、フードデリバリー網だ。
-
黒字転換のメルカリ、問われる増益の中身
メルカリは2018年6月の上場以来、初めて通期で黒字化となる見通しを発表した。今月24日の東京株式市場ではメルカリ株が急騰。ただ、メルカリの大幅黒字化について、アナリストの見方は割れている。
-
リアルと中継の合わせ技、コロナで広まるハイブリッド結婚式
業界損失額は1兆円。コロナ下で挙式や披露宴を延期・中止するカップルが続出した。逆境で生まれた新サービスがオンライン配信だ。参列者の人数によって収益を上げてきたブライダル業界に変革の波が押し寄せている。
-
ドアダッシュ日本上陸、料理宅配「真打ち」登場も見えぬ勝ち筋
フードデリバリーで米国シェアトップのドアダッシュが日本に進出を果たした。コロナ禍で市場が急拡大する一方、参入も相次ぎ「陣取り合戦」が続く。周回遅れのビハインドをはねのけられるか。
-
テンセント・リスクだけじゃない 楽天巡り強まる監視
楽天グループを巡る「監視」が強まっている。楽天が中国・テンセント子会社から出資を受けた点について、日米両政府が共同で監視していく方針を固めた。楽天株は21日、一時前日比約6%安まで下げた。だが、楽天が恐れる監視網はほかに…
-
テンセント出資で「三木谷氏に個人情報守る責任」 自民・甘利氏
LINEによるデータ管理の不備問題や、中国のテンセント子会社による楽天グループへの出資など、グローバルプラットフォーマーとしての成長を目指す企業に個人情報やデータ管理の課題が浮上している。国境を越えた企業によるデータの扱…
-
LINE「完全国内化」でかすむ世界第三極構想
メッセージアプリ「LINE」のユーザー情報などが、アプリのシステム開発などを請け負う中国のLINE子会社からアクセスできる状態になっていた問題で、LINEの出澤剛社長は対策として「安心・安全な2つの国内化を実施する」と宣…
-
ヤフーとLINE、統合後の経営会議は「毎週7時間」に
経営の統合を発表したヤフーとLINE。米国勢のGAFAや中国勢のBATなど、海外のメガプラットフォーマーに続く第三極を狙う日の丸プラットフォーマーは、どこで勝負を挑むのか。ヤフーとLINEの親会社となる新生Zホールディン…
-
ヤフーとLINEの経営が統合、なるか「ユーザーにとって意味ある統合」
ヤフーを傘下に持つZホールディングスとLINEの経営統合が3月1日に完了した。国内利用アカウント数が3億を超えるメガプラットフォーマーの誕生だ。2024年3月期に売上高に当たる売上収益を2兆円、営業利益は過去最高の225…
WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
おすすめのシリーズ
-
小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明
「ピース・オブ・ケイク(a piece of cake)」は、英語のイディオムで、「ケーキの一片」、転じて「たや…
-
徹底予測2021年 底打ちか奈落か
日本経済の節目の年として幕を開けた2020年は、誰もが予想できない最悪の1年となった。すべての始まりはコロナ禍だ…
-
クルマ大転換 CASE時代の新秩序
総付加価値額が450兆円ともされる自動車産業の構造が変わり始めた。GAFAやEVスタートアップ、ソニーなどが新た…
-
不屈の路程
話題の経営者や気鋭の起業家はいかにして自らの経営を確立するに至ったのか。そこにたどり着くまでの道のりは決して順風…
-
菅野泰夫のズームイン・ズームアウト欧州経済
ロシアを足掛かりに、欧州経済・金融市場の調査を担当して、既に十数年の月日がたちました。英国の欧州連合(EU)離脱…
-
1000年企業の肖像
日本は創業100年以上の企業が多くあり、世界一の長寿企業大国として知られる。その中には創業1000年を超えると伝…
-
10 Questions
いま、世の中で起こっていること。誰もが知りたいと思っていること。でも、ちゃんと理解できていないこと。漠然と知って…
-
河合薫の新・社会の輪 上司と部下の力学
上司と部下が、職場でいい人間関係を築けるかどうか。それは、日常のコミュニケーションにかかっている。このコラムでは…
-
ファクトフルネス思考
「データを基に世界を正しく見る習慣」を紹介した書籍『ファクトフルネス』は、日本で90万部を超えるベストセラーとな…
-
大西孝弘の「遠くて近き日本と欧州」
日本の読者にとって欧州のニュースは遠い国々の出来事に映るかもしれない。しかし、少子高齢化や低成長に悩み、企業の新…
-
グルメサイトという幻
食べログ、ぐるなび、ホットペッパーグルメ──。外食店探しに欠かせない存在となったグルメサイトの地位が揺らいでいる…
-
フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える
この度、故有りましてこの日経ビジネスオンライン上で、クルマについて皆様と一緒に考えていくナビゲーター役を仰せつか…
-
ファストリ、異次元の経営
コロナ禍の混乱からいち早く抜け出したファーストリテイリング。破綻が相次ぐアパレル業界にあって、なぜユニクロだけが…
-
テスラが仕掛ける電池戦争
日本でも2030年代半ばに新車販売でガソリン車をゼロにする方針が打ち出されるなど、各国の環境規制強化により普及段…
-
70歳定年 あなたを待ち受ける天国と地獄
従業員の希望に応じて70歳まで働く場を確保することを企業の努力義務として定めた、改正高齢者雇用安定法が2021年…
全8回