「いびつなネット」への挑戦

 「広告はウェブメディアの収益化の上で素晴らしい役割を果たしてきた。しかし、インターネットはあまりに広告に依存しすぎた」と加藤CEOは話す。広告効果を高めるには、サイトの閲覧数(PV)を上げなければならない。そのためには、極端な見解や過激なヘッドラインで注目を集めることも、短期的には手段になり得る。こうした近道がまん延した結果、今のネットはネガティブな意見が目立つ「殺伐とした文化」になっているのではないか――加藤CEOは現状をこう分析する。

 そこで、広告収入に頼らず、コンテンツのクリエーターが創作活動に打ち込める環境を構想したことが、現在のノートのサービスにつながった。PVに依存せず創作活動が継続できるよう、記事ごとに利用者が購入できる課金システムも充実させた。現在、四半期の流通総額は28億円を超えるまでに育った。

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