孫正義氏は大型ハイテク銘柄を中心とした上場企業の現物株に1.8兆円を投じたことを明かした
孫正義氏は大型ハイテク銘柄を中心とした上場企業の現物株に1.8兆円を投じたことを明かした

 「一言でいえば投資会社になった。ここから先は情報革命の中でもAI(人工知能)革命への投資会社としての姿に専念していく」

 ソフトバンクグループ(SBG)の孫正義会長兼社長執行役員は9日の決算会見で高らかに宣言した。2020年4~9月期の連結純利益(国際会計基準)は1兆8832億円と前年同期比約4.5倍に膨らみ、過去最高となった。だが、業績の説明はほんの数分だけ。1時間を超えるプレゼンテーションの時間のほとんどを使い、AIがいかに人々の生活を変えていくかについて熱弁。その可能性を示したうえで「AIを制する者が未来を制する」と力を込めた。

 この言葉は、2008年の決算会見で語った自身の言葉「モバイルインターネットを制する者がネットを制する。アジアを制する者が世界を制する」をもじったもの。かつての自分の読みの正しさを示したうえで、未来予想の確度に自信をみせたわけだ。

 投資会社となったSBGの中核は10兆円ファンドとして知られるソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)だ。だが、シェアオフィス大手の米ウィーカンパニーなどの投資損失が膨らみ、20年の1~3月期に日本企業の四半期赤字額としては過去最大の1兆4381億円の最終損失を計上した。足元は回復している点を強調したが、2号ファンドについて外部投資家の資金受け入れ状況を問われると「投資家のみなさんにドアをいつも開けているが、人気がないから来ていない」と厳しい状況を明らかにした。SBGは今期に4.5兆円の資産売却を発表し、米通信大手TモバイルUS(旧スプリント)の株式や、虎の子の中国アリババ集団や通信子会社ソフトバンクの一部株式も売却。まだ最終承認は下りないものの、英アームを米エヌビディアに最大400憶ドルで売却する交渉がまとまったことから「10兆円の資金も手元に入ったので、手がねで十分まかなえている」と強気の姿勢を示した。

 ただ、攻めの姿勢を見せる一方で、慎重な部分も垣間見せた。それが、「テスト運用」としながらも積極化している上場株への投資だ。投資運用会社を通じた上場株投資は総額2.1兆円。そのうち1.8兆円が現物株で、残りはデリバティブ投資という。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り884文字 / 全文1801文字

日経ビジネス電子版有料会員になると…

特集、人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

ウェビナー【日経ビジネスLIVE】にも参加し放題

日経ビジネス最新号、10年分のバックナンバーが読み放題

この記事はシリーズ「白壁達久のネット企業盛衰記」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。