リクルートホールディングス(HD)が2012年に買収した米インディードは世界60か国・地域以上、月2億5000万人が使う世界最大の求人検索サイトに成長し、業績をけん引している。新型コロナウイルス禍に伴って働き方が変化している中で、サイトの機能開発などを進めている。クリス・ハイムスCEO(最高経営責任者)に日米での事業の展望や、リクルート傘下に入っていることの利点などについて聞いた。

クリス・ハイムス氏
クリス・ハイムス氏
米ライス大学でコンピューター・サイエンスの修士号を取得。米IT(情報技術)のトリロジー社でエンジニアリング担当バイスプレジデントを務める。2010年、インディードに入社。15年にプレジデントに就任し、19年に現職。IT業界に入る前は「ロックスター」を目指し、ドラマーとして2年間活動していたというユニークな経歴を持つ(写真は山下 裕之、以下同)

リクルートは米国を中心に好調な成長が続き、インディードを中心とするHRテクノロジー事業の売上収益は2022年3月期に前期比2倍の8614億円でした。

クリス・ハイムスCEO(以下、ハイムス氏):米国では1人の失業者に対して約2つの求人があり、求人数と現在職についている人の数を足すと、総労働人口を超えてしまうほど採用需要が好調だ。日本の求人広告数はまだ新型コロナウイルス禍以前の水準に達していないが、米国では需要の急増が少し落ち着いた今も、コロナ禍の前より高い水準にある。

 求人の増加に伴い、当社の収益性も大きく向上した。このマージンが今後も続くかどうかについてはコメントはできないが、健全な水準にあると考えている。

採用活動を効率化できる機能

リモートワークが進むなど、コロナ禍で世界的に働き方が大きく変化しました。

ハイムス氏:すべての仕事がリモートワークになるということはないだろう。職場で同僚とともに働くことが素晴らしい経験として再発見され、オフィスに戻る動きもある。サービス業をはじめ、全労働者のおおよそ3分の2の人々が出勤する必要が残るとみている。

 一方で、たった15分間の面接のために求職者が外出するなどということは、理解しがたいことになってもいる。当社では求人情報検索サイト「インディード」のために、サイト上で候補者とのオンライン面接ができる機能「インディード・インタビュー」を開発した。顧客である企業はコロナ禍の前、「候補者と同じ部屋にいて、目線を合わせて面談する必要がある」と言っていたが、それが変わったのだ。

 インディードでは、こうした研究開発などの部門で数千人を新たに雇うなど投資も進めている。

ビデオ会議サービス「Zoom」を手掛ける米ズーム・ビデオ・コミュニケーションズなどビデオ通話自体は他社のものもあります。自ら「インディード・インタビュー」を開発したのはなぜでしょうか。

ハイムス氏:ただオンラインでつながるだけではなく、企業が採用活動で数週間にわたり行ってきた作業を短縮する機能も提供できるからだ。「インディード・インタビュー」では事前に設定した条件に応じた候補者の選定や、日程調整をインディード上で完結できる。求職者に可能な限りシンプルで速く、やりたい仕事を見つけてほしいと考えている。

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