7日の東京株式市場でメルカリの株価が一時、前日比14.6%(680円)上昇して5340円となり、年初来高値となった。3月19日の安値(1557円)に比べて、5カ月弱で3.4倍まで上昇したことになる。

「市場からの期待の高まりに十分応えた」。SMBC日興証券の金森都シニアアナリストは、メルカリが6日に発表した2020年6月期の決算内容をこう評する。連結最終損益は227億円の赤字となり、前の期(137億円の赤字)に比べて赤字幅は拡大している。だが、第4四半期(20年4~6月期)だけを見れば、その評価は一変する。営業損益が9億円の黒字となったからだ。
メルカリの営業損益が四半期ベースで黒字化するのは18年6月の上場後初めて。これまではフリマアプリの日本事業が黒字でも、キャッシュレス決済のメルペイ事業のマーケティング費用や米国のメルカリ事業の赤字が足を引っ張って営業損失を計上してきた。その営業損失が19年7~9月期の70億円で底打ちして改善の兆しを見せていたとはいえ、証券アナリストの多くは第4四半期も営業赤字を見込んでいたため、7日のメルカリ株高騰につながった。
黒字化は大きく2つの要因がある。1つは新型コロナウイルスの感染拡大に伴う在宅シフトだ。ロックダウン(都市封鎖)もあった米国では自由に買い物ができなくなった影響でメルカリの利用が増え、米国事業の目標としていた月間流通総額1億ドル(約105億円)を達成した月もあった。
メルカリの国内事業の伸びも著しい。国内の流通総額は1804億円と前年同期比で40%も増えた。6日の決算発表会見で山田進太郎社長CEO(最高経営責任者)は「再加速」という言葉で今回の成長を表現した。
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