メルカリは6月23日、2021年6月期の連結純利益が50億円になりそうだと発表した。従来予想はゼロから21億円の黒字というレンジで発表しており、大幅な上方修正となった。前期実績は227億円の赤字。メルカリは18年6月の上場以来、事業拡大に向けた投資を優先して赤字が続いていたが、通期では初めての黒字となる。今月24日の東京株式市場ではメルカリ株が急騰。一時は前日比12.5%高となった。

通期で初めて黒字になりそうだと発表した翌日、メルカリ株は一時12.5%高となった(写真:Shutterstock)
通期で初めて黒字になりそうだと発表した翌日、メルカリ株は一時12.5%高となった(写真:Shutterstock)

 ただ、メルカリの大幅黒字化について、アナリストの見方は割れている。

 松井証券の窪田朋一郎氏は、「トップラインが伸びているわけではないが、利益面が確保できたというところがマーケットでもポジティブに捉えられている」とみる。ある国内証券アナリストは「利益を稼ぎ出すステージに入ってきた点を好感する向きがある」と評価する。

 一方、クレディ・スイス証券の齋藤剛氏は「予定していた米国事業の投資を抑制して出た利益であれば、メルカリがまだ米国事業に自信を持てていない証左とも言える」と評し、エース経済研究所の澤田遼太郎氏は「(利益が出たということは)効率的な広告を投下すればいくらでも売り上げが出るような構造にはなっておらず、広告費が使えなかったという見方もできる」と語る。

 利益が出るのは企業にとっても投資家にとっても喜ばしいことには違いない。ただ、その利益がどのようにして増えたのかは、きちんと見定める必要がある。

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