楽天は4月19日、外貨建てでの永久劣後債の発行を決めたと発表した。ドル建てが総額17億5000万ドル(約1900億円)。ユーロ建ては10億ユーロ(約1300億円)で、発行総額は約3200億円となる。一度の起債では同社の過去最大規模だ。

矢継ぎ早の資金調達

 劣後債とは、債務不履行に陥った際に弁済の順位が普通社債より劣るため利率が高くなる。ただ、格付け会社からの格下げリスクは抑えられるメリットもある。また楽天グループは国際会計基準を導入しているため、永久劣後債で調達した資金を全額資本として扱える。自己資本比率の改善にもつながる。

 3月には冒頭で扱ったテンセント子会社や日本郵政などから総額2400億円の出資を受け入れた。矢継ぎ早に資金調達に走る背景には、財務の健全性を確保しつつ、モバイル事業のインフラ投資を加速する狙いがある。

 シティグループ証券アナリストの鶴尾充伸氏は財務の健全性を確保するための調達を評価する一方で「まだ足りない数千億円をどう調達するかが課題」と指摘する。楽天が非金融事業で稼ぐ営業キャッシュフローよりもモバイル事業の設備投資が大きくなり、その赤字額は「2年で1兆円」と鶴尾氏は見積もる。劣後債の発行や第三者割当増資で6000億円弱を調達したが、その差である4000億円強をどう調達するかが課題だ。