「決めました。GMOは印鑑を廃止します」――。

 4月15日の午後3時15分、GMOインターネットの熊谷正寿会長兼社長はツイッターで突如として印鑑廃止を宣言した。そこからわずか2日後には、「お客様手続きの印鑑を完全に廃止・契約は電子契約のみへ」とするリリースを出した。新型コロナウイルスの感染防止に伴い、政府は緊急事態宣言の地域を全国に広めて在宅勤務を呼びかけるも、日本の「ハンコ文化」によって出社を余儀なくされるビジネスパーソンは少なくない。こうした中での印鑑廃止宣言。熊谷会長に、その真意を聞いた。

印鑑廃止のツイートは、竹本直一・IT政策担当大臣が14日の記者会見で、日本の印鑑文化がテレワーク(在宅勤務)の妨げになっている点に関して問われた際に、「(役所の届け出はデジタル化が進んでいるので)しょせんは民間の話だ」と語った記事をシェアしてのものでした。

熊谷会長(以下、熊谷):大臣のご発言には感謝しています。なぜなら、「気づき」になったから。「勝手にやっていい」と政府が方針を示してくれた。民間同士でやってくれ、と。だったらやろうということで、グループ全体での印鑑廃止を決めました。「完全にやめる」という決断のきっかけをつくってもらえたと思っています。

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