人気のバーチャルユーチューバー(VTuber)グループ「ホロライブ」などを抱えるカバーが3月27日、東証グロースに上場する。VTuberの活動の柱は自身がプレイするゲームのライブ配信や、雑談、歌配信など。造作もない活動のように聞こえるが、ビジネスに勢いがあるという。イベントに参加して実情を探ってみた。

3月18日と19日に幕張メッセ(千葉市)で開催されたイベントの様子。多数のファンが集まり画面上に現れたVTuberに歓声を上げた(撮影:Takashi Konuma)
3月18日と19日に幕張メッセ(千葉市)で開催されたイベントの様子。多数のファンが集まり画面上に現れたVTuberに歓声を上げた(撮影:Takashi Konuma)

 「こんぺこー!」。うさ耳が生えたアニメ調のキャラクターが決まり文句のあいさつを会場に投げかけると、大勢の観客が会場を揺るがすような声で「こんぺこー!」と返す。チャンネル登録者数200万人以上を誇るVTuberの「兎田ぺこら」さんらが歌って踊るライブ会場の一幕だ。

 カバーは3月18日と19日にファンとの交流や物販を行うイベントを幕張メッセ(千葉市)で開催し、延べ3万人が来場した。

 ライブでは、最大約9000人の収容能力を持つ幕張イベントホールがほぼ満席だった。VTuberのファンが熱心に振るサイリウム(棒状のライト)のせいで、前方のステージを見るのに苦労するほどの熱狂だった。

 目の前に実在しない、キャラクターの一挙手一投足に多数の人々が熱狂し声を枯らせる――。そんな文化を生み出した「VTuber」の配信を見たことはあるだろうか。アニメ調のキャラクターで、動画配信プラットフォームでライブを行う。表情や体の動きをトラッキングしてアバターに反映させるため、まばたきや瞳の動きなどを通じてまるでキャラクターが生きているように感じる。

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