サイバーエージェント(CA)傘下のインターネットTV「ABEMA(アベマ)」が米ネットフリックスとコンテンツ提供での協業を発表した。CA子会社でABEMAを運営するAbemaTVは番組調達費用などの「売上原価」が売上高を上回る状況が続き、2022年9月末時点で1100億円超の債務超過にある。親会社であるCAの資金力は無尽蔵ではない。ネットフリックスとの提携を皮切りに収益構造を変えられるか。

上のグラフを見てほしい。日経ビジネスが収集したABEMA運営会社AbemaTV(東京・渋谷)単体の決算データの推移をグラフ化した。親会社にあたるCAの決算資料では、ABEMA事業を含むメディア事業全体の営業赤字しか公表されていない。しかし、このグラフを見ると、販管費を考慮するまでもなく、番組調達費などに当たる売上原価の時点で売上高を上回り、損失を出す状況が続いていることが分かる。
AbemaTVの売上高は22年9月期通期で365億円だったが、原価率は104.5%。さらに96億円の販管費がのしかかり113億円の営業損失を計上している。営業赤字を解消する前に売上総利益を確保する必要がある状況だ。
これは、AbemaTVにとって悩ましい事態だ。広告収入や定額課金などで売上高を伸ばすためには、視聴者をもっと呼び込むための魅力的なコンテンツが必要になる。ただ、売り上げを得るために闇雲に「原価割れ」を進めていては、本末転倒になってしまう。
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3/14、4/5ウェビナー開催 「中国、技術覇権の行方」(全2回シリーズ)

米中対立が深刻化する一方で、中国は先端技術の獲得にあくなき執念を燃やしています。日経ビジネスLIVEでは中国のEVと半導体の動向を深掘りするため、2人の専門家を講師に招いたウェビナーシリーズ「中国、技術覇権の行方」(全2回)を開催します。
3月14日(火)19時からの第1回のテーマは、「特許分析であぶり出す中国EV勢の脅威」です。知財ランドスケープCEOの山内明氏が登壇し、「特許分析であぶり出す中国EV勢の脅威」をテーマに講演いただきます。
4月5日(水)19時からの第2回のテーマは、「深刻化する米中半導体対立、日本企業へのインパクト」です。講師は英調査会社英オムディア(インフォーマインテリジェンス)でシニアコンサルティングディレクターを務める南川明氏です。
各ウェビナーでは視聴者の皆様からの質問をお受けし、モデレーターも交えて議論を深めていきます。ぜひ、ご参加ください。
■開催日:3月14日(火)19:00~20:00(予定)
■テーマ:「特許分析であぶり出す中国EV勢の脅威」
■講師:知財ランドスケープCEO 山内明氏
■モデレーター:日経ビジネス記者 薬文江
■第2回開催日:4月5日(水)19:00~20:00(予定)
■テーマ:「深刻化する米中半導体対立、日本企業へのインパクト」
■講師:英オムディア(インフォーマインテリジェンス)、シニアコンサルティングディレクター 南川明氏
■モデレーター:日経ビジネス上海支局長 佐伯真也
■会場:Zoomを使ったオンラインセミナー(原則ライブ配信)
■主催:日経ビジネス
■受講料:日経ビジネス電子版の有料会員のみ無料となります(いずれも事前登録制、先着順)。視聴希望でまだ有料会員でない方は、会員登録をした上で、参加をお申し込みください(月額2500円、初月無料)
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