シリーズ
大西孝弘の「遠くて近き日本と欧州」

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英国、EUと通商協定で合意も、残る大きな誤算と懸念
英国と欧州連合(EU)は24日、自由貿易協定(FTA)など両者の新たな将来関係を巡る交渉で合意した。年明けに関税が発生するなど物流が大きく混乱する事態は避けられそうだ。ただ、英国は4年半の交渉期間に多くの誤算があり、取り…
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第2波(10)新型コロナ変異種とブレグジットで英国の孤立深まる
英国で新型コロナウイルスの変異種が広がっていることを受け、欧州各国など40カ国以上が英国からの入国を停止した。英国のEU離脱(ブレグジット)の通商交渉も難航し、英国の孤立が深まっている。
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第2波(9)マスクの次は何? 欧州で広がる生活習慣の「アジア化」
新型コロナ対策が長期化する欧州で、自主的に生活習慣を見直す動きが広がっている。義務化されていない場所でもマスクを着用する人が増え、マスクのある光景が一般的になった。その他にも生活習慣の大きな変化が、足元から起きている。
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英EUの通商交渉は延長戦へ、両者が断じて譲れない一線とは
英国とEUは、英国のEU離脱(ブレグジット)の通商関係などを巡る交渉の最終期限を12月13日に設定していたが、交渉の延長を発表した。年末までに合意に至らなければ、来年から英EU間で関税が発生することになる。両者は、交渉の…
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第2波(8)スウェーデン学者が警告「厳しい規制が次の感染爆発を起こす」
スウェーデンで新型コロナウイルスの感染が拡大し、政府は11月24日から9人以上の集会を禁止するなど規制を強化した。しかし、ロックダウン(都市封鎖)のような他の欧州各国が導入する厳しい規制に対しては、反対の姿勢を示している…
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第2波(7)またもノーガード戦法?スウェーデン医師に聞く最新状況
スウェーデンでは11月頃から新型コロナウイルスの感染が急拡大している。スウェーデン政府は24日から9人以上の集会を禁止するなど規制を強化したが、それでもロックダウンの導入は明確に否定している。医療現場はどのような状況で、…
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第2波(6)コロナ対策の優等生ドイツでも感染急拡大を止められず
英国とフランスが新型コロナウイルス対策について規制緩和の方針を示す中、ドイツのメルケル首相は11月25日、現状の部分的なロックダウンをクリスマス直前の12月20日まで続ける方針を示した。閉鎖が続く飲食業界の反発が強まって…
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英政府が12月中旬にもワクチン接種開始、ノーマル復帰の時期に言及
11月23日、英製薬大手のアストラゼネカが英オックスフォード大学と開発する新型コロナウイルスのワクチンについて、臨床試験(治験)の最終段階で平均70%の効果が確認されたと発表した。英病院の関係者によると承認が順調に進んだ…
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第2波(5)イタリアとスペインのGDP1割縮小が示す欧州の構造問題
スペインとイタリアは新型コロナウイルスの感染再拡大を受け、夜間の外出禁止や移動制限など再び厳しい規制を導入した。2020年の国内総生産(GDP)は前年に比べスペインが12.4%減、イタリアが9.9%減で、約1割縮小する見…
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欧州はバイデン氏による対中戦略とブレグジットへの「介入」を警戒
欧州各国の首脳が、米大統領選で当選が確実になったバイデン氏を歓迎している。しかし、バイデン氏が対中強硬路線を欧州に強要するリスクや、英国の欧州連合(EU)離脱に反対し、英国との自由貿易協定(FTA)の締結が遅れる可能性が…
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第2波(4)英病院の看護師長「もうコロナの戦場には戻りたくない」
ジョンソン英首相は10月31日に緊急会見を開き、11月5日から12月2日まで、イングランドでロックダウン(都市封鎖)を実施すると発表した。新型コロナウイルスの感染者が急増する英国の医療現場は今、どのような状況なのか。第1…
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第2波(3)フランス、「ロックダウンの罠」でコロナ死者急増の恐れ
フランスのマクロン大統領は10月28日夜のテレビ演説で、30日から12月1日までの約1カ月間にわたり、全国的なロックダウン(都市封鎖)を実施すると発表した。新型コロナウイルスの新規感染者が急増し、死者も増えているため、厳…
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第2波(2)英国が第1波より感染者激増も死者数89%減のワケ
英国が新型コロナウイルスの感染拡大の第2波に飲み込まれ、英政府はイングランドの地域ごとに適用する3段階の規制を導入した。第1波の4月以降、回復基調にあった景気が二番底に陥ることが懸念されている。ただ、第1波に比べ今のとこ…
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第2波(1)欧州、感染者が第1波の約4倍で「半ロックダウン」へ
欧州各国に新型コロナウイルス感染拡大の第2波が押し寄せている。1日当たりの新規感染者数が、フランスと英国、スペイン、イタリア、ベルギー、チェコの6カ国で1万人を超え、欧州全体では第1波のピーク時の約4倍に達する日もある。…
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ノーベル平和賞のWFP、ユーグレナ出雲氏が難民支援で見たすごみ
2020年のノーベル平和賞は国連世界食糧計画(WFP)に決まった。ロヒンギャ難民の食料支援でWFPと事業連携するユーグレナの出雲充社長は、WFPの即応力に舌を巻く。難民支援の現場における危機対応力やインフラづくりなどWF…
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ジョンソン英首相の奇策は結実するか EU離脱交渉が最終章へ
英国の欧州連合(EU)離脱を巡る通商交渉が大詰めを迎えている。ジョンソン英首相は10月15日のEU首脳会議までに合意しなければ、交渉決裂も辞さない構えだ。仮に自由貿易協定(FTA)を締結できなければ、欧州経済に大きなダメ…
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コロナ感染でトランプ大統領再選は絶望的? 英首相は好感度急上昇
米国のトランプ大統領が新型コロナウイルスに感染し、10月2日に入院した。危機管理の甘さを露呈したほか、選挙集会に参加できないため、1カ月後の大統領選は不利になるとの見方が多い。ただ、ジョンソン英首相は感染後に国民の同情か…
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竹中平蔵氏の提言で紛糾のベーシックインカム、スペインで導入難航
竹中平蔵・東洋大学教授(元経済財政相)がベーシックインカム(最低所得保障制度)の導入を提言し、大きな反発を招いている。5月末に導入を決定したスペインでは、承認が大幅に遅れている。新型コロナウイルスによる経済危機で、世界中…
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中国との距離感(8)イタリアの親中強まる? 一枚岩になれないEU
欧州の対中戦略が転換期を迎えている。欧州委員会のフォンデアライエン委員長は16日の一般教書演説で「中国は経済上の競争相手、体制上のライバルである」と述べ、人権問題についても中国に対する批判のトーンを強めた。ただ、中国に好…
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ソフトバンク孫会長を覚醒させた英アーム、売却で「群戦略」に暗雲
ソフトバンクグループは9月14日、傘下の英半導体設計大手アームを米半導体大手のエヌビディアに最大400億ドル(約4兆2000億円)で売却すると発表した。孫正義会長兼社長はアームを戦略の中核と位置付けてきたため、その売却は…