シリーズ
大西孝弘の「遠くて近き日本と欧州」

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コロナ感染でトランプ大統領再選は絶望的? 英首相は好感度急上昇
米国のトランプ大統領が新型コロナウイルスに感染し、10月2日に入院した。危機管理の甘さを露呈したほか、選挙集会に参加できないため、1カ月後の大統領選は不利になるとの見方が多い。ただ、ジョンソン英首相は感染後に国民の同情か…
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竹中平蔵氏の提言で紛糾のベーシックインカム、スペインで導入難航
竹中平蔵・東洋大学教授(元経済財政相)がベーシックインカム(最低所得保障制度)の導入を提言し、大きな反発を招いている。5月末に導入を決定したスペインでは、承認が大幅に遅れている。新型コロナウイルスによる経済危機で、世界中…
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中国との距離感(8)イタリアの親中強まる? 一枚岩になれないEU
欧州の対中戦略が転換期を迎えている。欧州委員会のフォンデアライエン委員長は16日の一般教書演説で「中国は経済上の競争相手、体制上のライバルである」と述べ、人権問題についても中国に対する批判のトーンを強めた。ただ、中国に好…
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ソフトバンク孫会長を覚醒させた英アーム、売却で「群戦略」に暗雲
ソフトバンクグループは9月14日、傘下の英半導体設計大手アームを米半導体大手のエヌビディアに最大400億ドル(約4兆2000億円)で売却すると発表した。孫正義会長兼社長はアームを戦略の中核と位置付けてきたため、その売却は…
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中国との距離感(7)チェコ上院議長の台湾支持、対中で割れる東欧
チェコのミロシュ・ビストルチル上院議長は8月末、経済人や研究者を伴い台湾を公式訪問した。台湾の国会に当たる立法院で演説したほか、蔡英文(ツァイ・インウェン)総統と面会した。東欧諸国は資金力のある中国との経済関係を重視して…
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中国との距離感(6)嫌米と中国依存に揺れるメルケル独首相の花道
新型コロナウイルス対策で支持率が急上昇したドイツのメルケル首相が、対中戦略で苦しい立場に追い込まれている。最大の貿易相手国である中国への配慮が目立ち、国内の野党政治家は弱腰だと批判する。次世代通信網「5G」に中国・華為技…
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中国との距離感(5)元英外交官「英国人は中国に無関心だった」
英国の対中戦略は新型コロナウイルス流行後に大きく変わった。その方針転換の背景には、欧州連合(EU)や米国との関係が複雑に絡み合っている。中国研究の専門家2人に、英国の対中戦略が変化した要因や今後の見通しを聞いた。
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中国との距離感(4)英教授「学生同士が『香港発言』監視の恐れ」
香港警察は8月10日、香港国家安全維持法違反の容疑で民主活動家などを逮捕した。英ロンドン大学東洋アフリカ研究学院(SOAS)のスティーブ・ツァン教授は、同法が英大学内の学生に威圧的な影響を及ぼすことを懸念している。香港出…
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中国との距離感(3)英弁護士「香港人の英国移住は難しい」
中国政府は6月末に香港国家安全維持法を施行し、香港への統制を強めた。旧宗主国だった英政府は香港の「一国二制度」が骨抜きになると反発。約300万人の香港住民を対象に英国での市民権取得に道を開く方針を表明した。実際に多くの香…
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中国との距離感(2)英国の「ご都合主義」に牙をむく中国マネー
英国は通信や原子力発電などの基幹インフラに中国マネーを積極的に受け入れてきた。安全保障の観点から中国との距離を取る動きもあったが、欧州連合(EU)からの離脱で経済減速が懸念され、むしろ中国への依存度は高まった。英国の対中…
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中国との距離感(1)英国、ファーウェイ完全排除で負う代償
英政府は、次世代通信規格「5G」から中国の通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)を2027年までに排除することを決めた。5G展開で2、3年遅れ、最大2700億円のコスト増になる見通しだ。英国の経済と社会にファーウェイは…
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エアビー創業者に直撃、「コロナで気づいたオンライン体験の価値」
新型コロナウイルスの流行により旅行需要が急減し、民泊最大手の米エアビーアンドビーが窮地に陥っている。5月には全社員の約25%に当たる1900人の人員削減を発表した。同社は世界各地のホストによるオンライン体験の提供に活路を…
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欧州大失業(4)山森教授「ベーシックインカムは希望の言葉」
世界各地で最低所得を保障するベーシックインカムの導入が検討されている。生活保護や失業手当は働くと給付額が減額される可能性があるが、ベーシックインカムは給付額が一定であるため、労働に対するインセンティブが働くという見方もあ…
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欧州大失業(3)世界初? スペインのベーシックインカムの狙い
スペイン政府は5月29日、最低所得保障(ベーシックインカム)制度の導入を閣議決定。6月中旬から申請の受け付けを開始した。同国は新型コロナウイルスの流行で拡大する貧困層の救済を進める考えだが、給付対象者が限られるため、広く…
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欧州大失業(2)スペイン、「失業率25%」にあえぐ当事者の肉声
スペインは新型コロナウイルスの流行とロックダウンを受け、2020年1~3月の失業率が13.9%を記録し、4月時点の失業者は約344万人に達した。産業基盤が弱いうえに主力の観光業の不振が長期化する恐れがあり、同10~12月…
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欧州大失業(1)恐怖の秋、雇用維持策切れで英失業率4倍も
新型コロナウイルスの流行による景気後退で、欧州で失業者が急増しそうだ。欧州各国は雇用維持制度を導入し、足元では失業率の上昇は抑えられている。だが、同制度の期限が切れる10~12月には各企業が解雇を実施し、失業率が急上昇す…
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独企業の不祥事再び フィンテック大手の不正疑惑で前CEO逮捕
ドイツの検察当局は23日、オンライン決済サービスのワイヤーカードのマークス・ブラウン前最高経営責任者(CEO)を、不正会計の疑いで逮捕したと発表した。ワイヤーカードは監査法人からフィリピンの金融機関の信託口座にあるはずの…
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コロナ後のオフィス(4)グラットン教授「在宅で社内権威が失墜」
世界的なベストセラー『ライフ・シフト』で著名なロンドン・ビジネススクールのリンダ・グラットン教授は、新型コロナウイルス流行後の働き方をどのように見据えているのか。同教授は、在宅勤務によって社内の信頼関係の構築にも変化が生…
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コロナ後のオフィス(3) 不動産会社「ロンドン脱出希望者が殺到」
新型コロナウイルスの流行で在宅勤務が増え、ロンドン市内の居住者が郊外に引っ越そうという動きが活発になっている。不動産大手の担当者は、「庭や書斎付きの住宅を求める顧客が多い」と言う。こうした動きは、住宅とオフィスの不動産価…
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コロナ後のオフィス(2)英金融マン「もう高層ビルには戻れない」
英ロンドンが誇る金融業界が、新型コロナウイルスの流行後の対応に苦慮している。ほとんどの従業員が在宅勤務をしており、超高層ビルのオフィス復帰にあたってはエレベーターでの移動などで感染防止と業務効率向上の両立が難しくなってい…