20日夜にフランスが英国からの渡航を禁止、英ドーバー港の近くで4000台ほどのトラックが滞留。運転手たちは車内などで数日間を過ごした(写真:ロイター/アフロ)
20日夜にフランスが英国からの渡航を禁止、英ドーバー港の近くで4000台ほどのトラックが滞留。運転手たちは車内などで数日間を過ごした(写真:ロイター/アフロ)

 英国で新型コロナウイルスの変異種が広がったことを受け、英国を取り巻く物流が混乱している。12月20日夜にフランス政府が英国からの入国を禁止し、英側のトラックがドーバー海峡を渡航できなくなった。フランスから英国への渡航も控える動きが広がった。

 英国からフランスに向かうトラックが英ドーバー港の近くに4000台ほど滞留。運転手たちは車内などで数日間を過ごすことになり、食品が足りなかったり、トイレがなかったり様々な問題が発生し、一部の運転手が警察と衝突する事態にも発展した。

 23日からフランス政府はウイルス検査で陰性を確認できた運転手の入国を認め、渡航が再開したが、多くの運転手が検査を受けるのに時間がかかっている。今後もドーバー港の近くでトラックが足止めをくう可能性があり、物流の停滞が完全に解消されるまでには、時間がかかりそうだ。

 だが、多くの製造業にとって、今回の物流停滞は比較的打撃が少ないタイミングだった。欧州では多くの製造業がもともと12月21日の週をクリスマス休暇に設定していた。日本の年末年始の休業が、欧州の場合は1週間ほど早まるイメージだ。

 例えば、トヨタ自動車の英国のエンジン工場と完成車工場は24日から21年1月3日まで冬季休業の予定だった。英仏物流の混乱を受け、エンジン工場を12月22日から、完成車工場を23日から休業を前倒しと、今のところ影響は軽微で済んでいる。

 同社のフランス工場は24日から28日まで休業の予定だった。英仏物流だけでなく、欧州各地で検疫が強化され、物流が停滞していたことから、22日午後から前倒しで休業に入った。 

 これが通常時であれば、大きな打撃を与えていた。しかし、トヨタだけでなく多くの製造業にとって、今回は工場の稼働率が最も下がるタイミングでの物流停滞となったため、影響は今のところ少なくて済んでいる。

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