
開催中のサッカーワールドカップ(W杯)カタール大会で、日本代表は1次リーグでドイツとスペインという強豪国に逆転勝利を収めた。決勝トーナメントではクロアチアに負けたものの、ベスト8まであと一歩に迫り、日本サッカーの進化を世界に印象付けた。
今回のW杯日本代表の特徴は、欧州リーグで活躍する選手たちが多いことだ。代表に選ばれた26人のうち、欧州各国のリーグで活躍している選手が過去最多の19人もいた。その海外経験が今回の躍進に大きく寄与しているだろう。
日本の選手たちは海外でどのような努力を重ねてきたのか。代表の主将を務めた吉田麻也選手は10年以上、海外のクラブに在籍している。その吉田選手と交流が深く、共に英ロンドンのサッカークラブの共同オーナーを務める人物がいる。世界最大級の債券系ヘッジファンド「キャプラ・インベストメント・マネジメント」の浅井将雄・共同創業パートナーだ。カタールで日本戦も含め多くの試合を見てきた浅井氏に、日本代表の選手たちの不断の努力を聞いた。
W杯のサッカー日本代表で主将を務めた吉田麻也選手とはどのような出会いがあったのでしょうか。
浅井将雄氏(以下、浅井氏):吉田選手が2012年のロンドンオリンピックで活躍して、日本代表は4位に入りました。当時、吉田選手はオランダのチームに在籍していましたが、イングランド・プリミアリーグのサウサンプトンがその活躍に目をつけて移籍が実現しました。この移籍の経緯はあまり知られていないかもしれません。そこから、私と吉田選手との交流が始まりました。
私は英国にいる日本の子供たちがストレスなくサッカーを楽しめる場所を提供したいと考え、12年にロンドンでフットボール・サムライアカデミーを設立しました。サウサンプトンに在籍していた李忠成選手がクラブに積極的に参加してくれていたこともあり、吉田選手もよく顔を出して、子供たちにサッカーを教えてくれました。それ以来、家族ぐるみで交流しています。今は吉田選手がクラブの校長で、共同オーナーも務めてくれています。
吉田選手が窓口になり、リバプールに在籍していた南野拓実選手(現モナコ)、アーセナル在籍の冨安健洋選手がサムライアカデミーに来て、教えてくれるようになりました。2人にはクラブの副校長や教頭を務めてもらっています。子供たちの身近な憧れになることに対して彼ら自身も喜んでくれています。今では日本人以外の地元の子供たちとの融合も進み、トップチームから6歳以下まで総勢230人が参加するクラブになっています。

吉田選手と交流する中で、どのような姿を見てきましたか。
浅井氏:みなさんが見て分かるように、コミュニケーション力やリーダーシップに大変秀でています。日常生活の中では、驚くほどの努力している姿を見てきました。
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