世界が新型コロナウイルスの「オミクロン型」への対応に揺れている。同型は感染力が高いとみられ、各国が入国規制などを強化している。ほとんどの規制を撤廃した英国と、行動制限を続けてきた日本は、どのようにオミクロン型に向き合うのか。

英国ではオミクロン株の発生後も、ショッピング街は人出でにぎわう(写真=SOPA Images / Getty Images)
英国ではオミクロン株の発生後も、ショッピング街は人出でにぎわう(写真=SOPA Images / Getty Images)

 英ロンドンの新型コロナウイルス検査会場の様子が、わずか2週間で大きく変わった。筆者が11月末に英国外へ出張するために、「エクスプレステスト」という事業者の検査を受けた際には、ほとんど待つことなく検査を受けられた。だが、12月6日午後、ヒースロー空港の検査会場では、長い列ができていた。新型コロナの「オミクロン型」が広がり、世界各国が入国時に陰性証明などを求めるなど、規制を強化しているためだ。

英ヒースロー空港の新型コロナ検査会場では行列ができていた
英ヒースロー空港の新型コロナ検査会場では行列ができていた

 世界がオミクロン型への対応に揺れている。11日時点で、既に世界の50カ国以上でオミクロン型が確認されている。各国が入国規制を強化し、多くの国が南アフリカやアフリカ南部の国々からの入国に厳しい制限を課している。

  

 英国では10日時点で、1265件のオミクロン型の感染を確認しており、感染拡大を防ぐために入国時の検査を強化した。従来は入国後に簡易検査を受け、陰性を証明すれば自由に行動できたが、入国時には陰性証明が求められ、入国後にはPCR検査が必要になった。

 また、人口の大半を占めるイングランドでは、これまで公共交通機関や店舗内などでマスク着用の義務はなかったが、11月30日から義務化された。同日以降、電車内などでは多くの人がルールに従っていた。さらに、12月8日には在宅勤務を推奨するほか、劇場や映画館でのマスク着用を義務化すると発表した。

 だが、今のところ英国はロックダウン(都市封鎖)などの強力な規制導入は考えていないようだ。入院患者数と死者数を主な指標としており、それは今のところ大きな増加にはなっていない。サジド・ジャビド保健相は6日、英国内で市中感染が起きていることを認めたが、学校などの基本的な運営に変化はない。10日時点で飲食店やナイトクラブは引き続き営業しており、マスクの着用義務や在宅勤務によって、オミクロン型のまん延を遅らせようとしている。

7月から1日当たりの感染者数は増えるものの、入院患者数は同じようなペースでは増えていない
7月から1日当たりの感染者数は増えるものの、入院患者数は同じようなペースでは増えていない
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 2021年の英国は、新型コロナの感染拡大とワクチン接種、経済成長の3つの要素が激しく変動した。1月は感染が急速に拡大し、病院の受け入れ能力が逼迫。多くの死者を出してしまった。1月初旬から3回目となるロックダウンを導入したため、1~3月期のGDP成長率はマイナス1.4%となった。

 また同時期、世界に先駆けてワクチンの大規模接種を開始。急速に接種を進め、世界有数の接種率となった。その効果なのか、上のグラフが示すように2月ぐらいから感染者数は大幅に減少した。

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