世界の国や自動車メーカーに踏み絵を迫るような動きだった。英国は11月10日、第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)で、主要市場で2035年まで、世界で40年までに新車販売を全て二酸化炭素(CO2)を排出しない車(ZEV)にするという宣言を発表した。

 この宣言には、電気自動車(EV)の販売が伸びるスウェーデンやオランダなど欧州を中心に24カ国が署名した。米ニューヨーク、伊ローマなどの都市も賛同。メーカーでは、独メルセデス・ベンツ、米ゼネラル・モーターズ(GM)、米フォード・モーター、スウェーデンのボルボ・カー、中国の比亜迪(BYD)、英ジャガー・ランドローバーなどが署名した。

 こうしたメーカーにとって、COP26は格好のアピールの場となった。トランスポートデーという10日のイベントで、ボルボのホーカン・サミュエルソン社長が登壇し、メルセデスのオラ・ケレニウス社長はビデオに出演すると同時に、会場にも姿を現した。

 逆に目立ったのは、署名しなかった国とメーカーだ。中国や米国、ドイツ、日本など自動車販売台数が多く、自動車産業が強い国は参加しなかった。また、トヨタ自動車や独フォルクスワーゲン(VW)、仏ルノー、日産自動車なども署名しなかった。

ドイツ東部にあるフォルクスワーゲンのツウィッカウ工場。EVを生産している(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)
ドイツ東部にあるフォルクスワーゲンのツウィッカウ工場。EVを生産している(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

 トヨタは以前からカーボンニュートラルの実現には多様な技術の選択肢が必要というスタンスを取っており、不参加に意外感はない。意外に映るかもしれないのが、強烈なEVシフトを進めているドイツやVWがZEV宣言に署名しなかったことだ。

 英メディアによると、英政府はCOP26でZEV宣言に署名しない政府やメーカーの関係者には、本会議場の区域に立ち入り禁止にすることを示唆したという。結果的にそれは実行されなかったが、メーカーには踏み絵といえるほどの圧力をかけていたのは確かだ。

続きを読む 2/3 35年までの「脱エンジン」は、欧州市場のみ

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