米大統領選挙での当選が確実になった民主党のバイデン氏と、クリントン元大統領。写真は1999年に撮影。98年に当時のクリントン大統領が北アイルランド紛争の和平合意を仲介した (写真:ロイター/アフロ)
米大統領選挙での当選が確実になった民主党のバイデン氏と、クリントン元大統領。写真は1999年に撮影。98年に当時のクリントン大統領が北アイルランド紛争の和平合意を仲介した (写真:ロイター/アフロ)

 欧州各国の首脳が、米大統領選で当選が確実になったバイデン氏を歓迎している。ドイツのメルケル首相は7日、「バイデン氏との今後の協力を楽しみにしている」との祝辞を公表。さらに9日には、「バイデン氏はドイツと欧州のことをよく知っている」と持ち上げ、「彼とは良い出会いと議論の思い出がある」と語った。特にトランプ大統領とは対立が目立ったメルケル首相からは、前向きなメッセージが目立つ。

 国際協調に回帰すると見られるバイデン氏に対し、欧州の期待は高い。まずトランプ大統領が脱退した温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」について、バイデン氏の関心は高く、早期に復帰する見通しである。パリ協定を重視する欧州と温暖化対策で連携することになりそうだ。

 トランプ大統領は北大西洋条約機構(NATO)の存在意義を疑問視し、独駐留米軍の削減を決めたが、バイデン氏はNATOの結束を修復する見通しでもある。人権問題でも米国と欧州が協調する場面が増えそうだ。世界保健機関(WHO)にも復帰し、新型コロナウイルス対策でも連携を模索すると見られている。

対中強硬路線は続く見通し

 ところが、バイデン氏の政策は欧州にとって甘いことばかりではなく、警戒する声もある。その1つのテーマが米中対立だ。対中強硬路線は民主党も支持しており、バイデン氏はアプローチを変えるかもしれないが、同路線を継承すると見られている。

 米国と欧州の関係に詳しい、英ロンドン大学キングス・カレッジのケリー・ブラウン教授は次のように指摘する。

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