英国の新首相に就任したトラス氏(写真:AP/アフロ)
英国の新首相に就任したトラス氏(写真:AP/アフロ)

 9月5日、英与党である保守党の党首選挙で、トラス外相(47)がスナク前財務相(42)を破り、翌6日には新首相に就任した。女性としては3人目の英首相となる。

 トラス氏は2010年の国政選挙で下院議員に初当選し、その後のキャメロン政権から一気に出世階段を駆け上がってきた。環境相や司法相、国際貿易相、外相などを歴任。国際貿易相のときには、日本との経済連携協定(EPA)を成立させた。党首選ではこうした実績をアピールした。

 父親は数学の大学教授、母親は看護師で共に労働党の支持者という家庭で育った。自身は英オックスフォード大学卒業後に英蘭ロイヤル・ダッチ・シェル(現英シェル)などで働き、保守党候補として政界デビューしたという経歴がある。

 保守党の党首は、議員投票と党員投票で選ばれる。議員投票により得票数の少ない候補者を除外し、今回は5回の議員投票を経て、最終的にトラス氏と前財務相のスナク氏に絞られた。

 英国は日本と同じ議院内閣制で、下院で最も議席を持つ政党の党首が国王によって首相に任命される。現在の国王はエリザベス女王であり、トラス氏は北部スコットランドに滞在中の女王を訪れ、首相に任命された。

 トラス氏とスナク氏の明暗を分けたのは、2つの要因が挙げられる。1つは経済格差、2つ目はジョンソン人気だ。これらは今後の英国政治を見通す上でも重要な観点だ。

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