EVではブレーキやタイヤなどのエネルギー損失が大きく
ボルボはエンジン車を長年開発してきました。グリーンさん自身も、エンジン開発に携わっていた経験がありますね。EV開発ではどのような課題があり、それをどのように乗り越えてきたのでしょうか。
グリーン氏: 顧客の多くが、EVに様々な機能を期待しています。今やEVを単なる動力伝達装置だと捉えてはならないのです。EVにおける課題の1つは、消費者がクラウドへの接続を期待していることです。常にスマートな機能を備え、ソフトウエアがアップグレードされる、という機能です。つまり、従来車とはまったく異なる設計、まったく異なるコンピュータープラットフォームが必要になってきます。それが今注力している大きな課題の1つで、そのために高度な技術を持つ人材を集めようとしています。
また、EVは実質的に内燃エンジンよりも効率がよく、残留熱が少なくなります。駆動系の効率が向上するため、EV全体のエネルギー損失において、車内温度調整システムや摩擦ブレーキシステム、タイヤなど、他の要素によるエネルギー損失の割合が高くなります。こうした損失に対処し、効率を高めることで、バッテリーのサイズを小さくしたり、走行距離を伸ばしたりすることができます。
こうしたことは、従来の自動車業界にはなかった新しい次元の開発に突入していることを意味しています。エンジン車の時には1%の違いなど気にかけていなかった様々な摩擦、冷暖房調整機能などの効率の改善が、EVでは走行距離の増加に直結するので、まったく新しい開発が必要になります。
電池コストが高いために、EV全体のコストが高くなっています。どのように電池コストを削減していますか。
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3/22ウェビナー開催、「強い『松下電器』は復活するか プロCIOが挑む巨艦パナソニックのDX」

日経ビジネスLIVEでは3月22日(水)19時から、パナソニックホールディングス(HD)の改革を最前線で率いる、玉置肇CIO(最高情報責任者)を講師に招いたウェビナーを開催します。テーマは「強い『松下電器』は復活するか プロCIOが挑む巨艦パナソニックのDX」です。玉置氏はファーストリテイリングやアクサ生命保険でもCIOとしてDXを推進した、国内有数の「プロCIO」として知られます。連結従業員数が24万人にのぼる巨大組織のDXをどのように進め、さらに今後どう改革しようとしているのかについて語っていただきます。ウェビナー後半では視聴者の皆様からの質問もお受けし、議論を深めていきます。ぜひ、ご参加ください。
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