新型コロナウイルス対策で日本政府は外出自粛を要請している段階だが、欧州では厳しい移動制限や活動制限などの都市封鎖(ロックダウン)を義務付けてから1カ月ほどたつ。一定の成果が出ているため、欧州各国が出口戦略を探っている。

 まず、以下の表をご覧いただきたい。今のところ一気に全面的な規制解除を計画している国はない。現時点での全面解除は再び感染を拡大させてしまうリスクが高い。それを避けるためには多くの人々が免疫を持つ必要があり、解除までに時間がかかるからだ。こうした状況下で欧州各国は、苦悩しながら段階的な緩和を模索している。

 新型コロナで「外出禁止」ならどうなる?欧州の事例を徹底比較で紹介したように、各国の外出禁止令はある程度のまとまりがあったものの、出口戦略については各国の政策がまだら模様だ。それぞれの感染拡大の状況や経済情勢を勘案しながら、判断しているためだ。もちろん国ごとに感染症や教育に対する考え方も異なる。

 ただ、情報を整理すると、おおよそ4つに分類できる。「即断即決型」「優等生型」「追い込まれ型」「後手後手型」だ。日本の未来を考える一助となるように、欧州各国の出口戦略の類型を検証する。

欧州各国の出口戦略を4つに分類した
欧州各国の出口戦略を4つに分類した
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小国に多い「即断即決型」

 動きの早さが目立つのが、人口1000万人以下の小国だ。代表格がオーストリアとデンマーク、スイス。移動制限や活動制限の決定も早ければ、緩和の決定も早く、「即断即決型」と言える。

 先陣を切ったのがオーストリアだ。ロックダウンを実施したのは、英国やドイツより早い3月16日。その後、新規感染者が大幅に減少したことから、クルツ首相は4月6日に会見を開き、14日から小規模店の営業再開など段階的な解除を発表した。同首相は、「他国よりも早く厳しい措置を講じたため、最悪の事態を避けることができた」と語った。

オーストリアのクルツ首相は連日会見を開き、国民に新型コロナ対策の徹底を呼びかけてきた (写真:代表撮影/ロイター/アフロ)
オーストリアのクルツ首相は連日会見を開き、国民に新型コロナ対策の徹底を呼びかけてきた (写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

 ただし、一気に緩和が進むわけではない。外出規制は4月末まで継続される。外出時にはマスク着用が義務付けられた(参照:欧米のマスク評価が新型コロナで急上昇、WHOは布マスクも否定せず)。クルツ首相は「感染者数が再び急増した場合は、緊急ブレーキとして再び厳しい制限措置を取る可能性がある」と話し、警戒を崩していない。

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