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 東京都の小池百合子知事は3月25日に緊急記者会見を開き、今週末の外出を自粛するように都民に呼びかけた。東京都では同日、新型コロナウイルスの感染者が新たに41人確認(26日は47人確認され、合計で257人となった=26日時点)され、23日から連日、都内での新規感染者数は過去最多を更新している。こうした状況を受け、小池都知事は「感染爆発の重大局面」と表明した。

 翌26日には東京と神奈川、千葉、埼玉、山梨の1都4県の知事がテレビ会議を実施。「感染者の爆発的な増加やロックダウン(都市封鎖)などの最悪の事態を回避するため連携し、断固たる決意で対策を進める」という知事共同メッセージを発表した。不要不急の外出を自粛するよう住民に求めた。

 日本の人口が集中する1都4県で感染爆発となれば、都市が封鎖され、外出が禁止される可能性が取り沙汰されている。ただ、外出禁止といっても定義や内容は多種多様なので、イメージが湧きにくい読者もいるかもしれない。そこで、今回は欧州各国で実施されている外出禁止の内容を比較、検証する。

フランスでは警察が外出している人に、特例外出証明書の携帯をチェックしている(写真=AP/アフロ)

 主な欧州各国の外出禁止の内容を以下にまとめた。実際の表現は様々だが、各国共に原則的に外出禁止とし、各種の例外規定を設けているので、ここでは総称して「外出禁止」と表現する。

 まず、感染者数や死者数の状況を鑑みて、比較的早い段階で厳しい措置を取っているのがフランスだ。同国は死者数が127人だった16日に外出禁止を発表。マクロン大統領は「我々は戦争状態にある」「症状が出ていなくても他人を危険にさらしている」と、厳しい言葉で国民に外出しないよう呼びかけた。

主に違反の罰金や、運動の可否が異なる
注:感染者数と死者数の出所は米ジョン・ホプキンス大学。26日夜時点

 まず大きな違いは、外出に証明書が必要か否かだ。フランスでは、初期の段階から外出の際には証明書の携帯を求められたが、ドイツ、英国などでは今のところ求められていない。

 フランスでは外出時には署名と出発時刻を記入した特例外出証明書を所持しなければならない。違反した場合には375ユーロ(約4万5000円)、再度の違反については1500ユーロ(約18万円)の罰金を科す。違反を繰り返した場合は3700ユーロ(約45万円)の罰金を科し、軽犯罪として禁錮刑などを科すとの規定がある。

 実際、フランスでは警察などの取り締まりが強化され、証明書をチェックされるケースは多い。フランス内務省によると、既に87万人が街頭で警察などから聴取を受け、約4万人が罰金を科されたという。

 医療機関の受け入れ能力が逼迫しないように、病院で緊急ではない診察については延期を求めている。また運動や犬の散歩による外出についても規定が厳しい。自宅から1kmの範囲内で1時間のみの外出を許可している。