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日本でも起こり得る爆発的な患者の急増

 

 強硬措置の背景にあるのは、北部イタリアはもちろんだが、北部より経済的に豊かではなく、医療体制も整っていない中南部での感染拡大を防ぐためだ。イタリア全体で捉えられることが多いが、実態は北部のロンバルディア州が突出して深刻な状況にある。下のグラフ3で明らかなように、ロンバルディア州だけ感染者が急増しており、他の地域と明らかな差がある。

グラフ3:ロンバルディア州の感染者数が突出して多い
感染者が多い3州はいずれも北部にある(出所:感染者数はイタリア厚生省)

 新型コロナ対策で恐ろしいのは、局地的に爆発的な感染拡大(オーバーシュート)が起きることだ。患者を遠方に搬送することはできず、医療機関の受け入れ能力にも限界があるため、オーバーシュートが起こると医療崩壊が起き、簡単には改善できない。

 日本でもオーバーシュートが起きるリスクある。安倍晋三首相は20日、「爆発的な感染拡大には進んでおらず、引き続き持ちこたえているものの、都市部を中心に感染者が少しずつ増えている」との認識を示した。

 政府の専門家会議は19日、「感染源が分からない感染者が増加していくと、いつか、どこかで爆発的な感染拡大(オーバーシュート)が生じ、ひいては重症者の増加を起こしかねません」と指摘している。国単位での情報発信も必要だが、今後はオーバーシュートに備え、地域ごとの小まめな情報発信や注意がより重要になってくる。