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 イタリアのコンテ首相は3月8日、日曜日の深夜午前2時過ぎから異例の会見を開いた。同国経済の中心であるミラノを含む北部14の県を同日から4月3日まで封鎖すると発表。同地域にはイタリアの人口の約4分の1に当たる1600万人が住み、許可なく同地域との出入りができなくなった。

 封鎖に違反した場合は、最長で3カ月の禁錮刑か206ユーロ(約2万5000円)の罰金が科される。レストランやバーの営業は午前6時から午後6時までとし、客は1メートル以上の間隔を空けて座る必要がある。スポーツジムや美術館、ナイトクラブなどは閉鎖される。食料や物資の輸送などで同地域に入るトラック運転手はマスクと手袋の着用が義務付けられ、封鎖エリア内ではトラックから降りられないという。

イタリア北部の封鎖に備え、ミラノの駅に集まる軍隊と警察(写真:ロイター/アフロ)

 イタリアは既に北部の一部自治体で封鎖を実施し、5万人ほどが対象になっていた。5日からはイタリア全土の学校を休校としていた。同国では北部を中心に、新型コロナウイルスの感染者が7日までに5883人、死者が233人に上り、危機意識を強めた政府は思い切った策に打って出た。

 コンテ首相は緊急会見で以下のように述べた。「私たちは緊急事態に直面している。感染の広がりを抑え、病院の過剰な負担を避けたい」「市民の健康を保証したい。今回の措置には犠牲が伴うと理解している」

 イタリアの心臓部の経済活動が大幅に制限されるため、副作用は大きくなりそうだ。イタリアの2019年10~12月期の国内総生産(GDP)は19年7~9月期のプラス成長からマイナス成長に転落、このままだと20年1~3月期もマイナス成長に陥りかねない状況だ。それでもイタリア政府は新型コロナの感染拡大を防ぐために、民主主義国家としては初めての大規模封鎖を決断した。

 ミラノでデザイン事務所を営む40歳代のイタリア人男性は8日、本誌の取材にこう答えた。「私はそんなに年をとっておらず、持病もないのでいつも通り生活している。もちろん、高齢者に感染させてはいけないので、政府の指示には従っている。ムードは外の人たちが思うほど悪くない。ただ、経済は悲惨な状況だ。本当にひどい。みんなでこれを何とか乗り越えたいと思う」

 イタリアで他国に比べて感染者が多い点については、様々な説がある。同国は基本的に無償で新型コロナウイルスの検査をしているため、検査を積極的に受ける人が多く、感染者を発見しやすいという見方がある。

 また、中国渡航歴のない感染者が見つかるまでに既に市中感染が広がっており、防ぐのが難しくなっているという指摘もある。現地点では定かなことは分からないが、感染者や死亡者が急増している現状を見ると、要因は1つではなく複合的なものだと考えられる。