日本で再生可能エネルギーを導入する機運が高まっています。ただ現状では、その普及で他の先進国に後れを取っており、巻き返しのためには大手企業の事業構造改革やスタートアップの参入や成長が不可欠です。

 そこで今回、再エネ関連の事業拡大を目指すスタートアップ2社の経営者をお招きし、日経ビジネスLIVE(オンラインセミナー)「日本は再エネ先進国になれるのか?」を2月28日(月)18:00~19:00に開催します(事前登録制、日経ビジネス電子版有料読者は受講料無料です)。再エネ専業で独立系最大手レノバの木南陽介社長と、バイオ燃料の大量生産に挑むユーグレナの出雲充社長に日本の突破口をお聞きします。詳細についてはこちらをご覧ください。セミナーに先駆け、ユーグレナの出雲社長のインタビューをお届けします。

ユーグレナはミドリムシ由来の油脂や廃食油を使ったバイオ燃料の実証製造設備を稼働させています。2025年に商業プラントを完成させ、26年に本格稼働し、500億円の売上高を目指すと2月10日に発表しました。バイオ燃料の市場動向をどのように見ていますか。

出雲充社長(以下、出雲氏):今、バイオ燃料の価格がかなり上昇しています。供給不足から多くの1次産品の価格が上昇していますが、特にSAF(持続可能な航空燃料)は高騰していて、直近の2月の価格が1リットル当たり300円ぐらいになっています。

 21年の平均価格が同220~230円ですから、大幅に値上がりしています。我々は着々と25万キロリットルの工場をデザインしており、バイオ燃料が1リットル当たり200円なら500億円規模の売り上げになります。同300円であれば、750億円の売上高ですので、下振れの可能性は低いと思っています。

出雲充氏
出雲充氏
1980年、広島県呉市に生まれ、東京の多摩ニュータウンで育つ。98年、東京大学に入学。在学中に訪れたバングラデシュで貧困の現実に直面し、衝撃を受ける。2002年、東京三菱銀行(現三菱UFJ銀行)に入行。05年に退職し、ユーグレナを設立。12年、東証マザーズに上場、14年には東証1部に市場変更した。21年に最高経営責任者(CEO)を永田暁彦氏に任せ、自身は代表取締役社長として中長期戦略の推進に集中する体制に移行した。(写真:竹井 俊晴)

フランスが近距離航空路線を禁止に

SAFについては、供給不足もあると思いますが、需要はどのような状況でしょうか。

出雲氏:まずは、北欧各国でSAF利用の義務化の動きがあり、インパクトは大きいですよね。世界中の航空会社が注視しています。フランスでは気候変動対策により、鉄道で2時間半以内に移動できる都市間の国内線は(一部を除いて)禁止されることになりました。CO2排出量が多い飛行機に乗ることを恥ずかしいとする「飛び恥」の動きに対応した規制です。

 航空会社と環境保護団体と相当やりあって、電車で移動できる区間が2時間半で着地しました。当初は3時間だったのですが、これだとドル箱の路線が軒並み禁止になってしまうので、航空会社が巻き返して2時間半で決着しました。3時間だとほとんどの国内線が飛ばせなくなり、フランスの航空会社エールフランスは香港のキャセイパシフィック航空のように国際線だけになってしまいます。エールフランスは労働組合も強いですからね。

 同法におけるSAFの扱いは決まっていませんが、今後SAFの需要が高まるのは間違いありません。現在、グローバルのジェット燃料の供給量におけるSAFの割合は0.03%ほどで、需要に対して足りていません。

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