ロシア軍は24日、ウクライナの多くの拠点を空爆した(写真:AFP /アフロ)
ロシア軍は24日、ウクライナの多くの拠点を空爆した(写真:AFP /アフロ)

 恐れていた事態が現実となってしまった。ロシアが2月24日、ウクライナに全面的な軍事侵攻を始めた。

 ロシアのタス通信によると、ロシア軍がウクライナにある74カ所の軍事施設を破壊した。11カ所の空軍飛行場、海軍基地、18のレーダー基地を含んでいる。ロシア軍はウクライナの北部と東部、南部から一気にウクライナを侵攻しているようだ。

 ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシア軍の攻撃により一般人を含む137人が死亡したと明らかにした。ロシアの地上部隊がチェルノブイリ原子力発電所周辺を通過し、首都キエフに迫っているようだ。欧米メディアによると、キエフ周辺でも警報が鳴り響き、爆発音が聞こえている。ウクライナ市民は地下などに避難しているようだ。キエフから逃れるための車両で、幹線道路が渋滞する様子も報じられている。

 ロシアの軍事侵攻に対し、「プーチン大統領は、破滅的な戦争を選んだ」(米国バイデン大統領)など、世界各国の首脳が強い非難を表明している。ただ、ウクライナは自国軍が防衛に当たっており、北大西洋条約機構(NATO)はウクライナに部隊を派遣しないことを改めて表明した。西側諸国の主な対抗手段は、経済制裁となっている。

 バイデン米大統領は22日、ロシア軍と関係が深い国営銀行が米国内で取引をできないように制裁を発表。24日にはロシアの大手金融機関を制裁の対象に加え、半導体などハイテク製品の輸出も規制すると発表した。欧州委員会のフォンデアライエン委員長は24日、ロシアが欧州連合(EU)に持つ資産を凍結する方針を示した。

 25日には日本の岸田文雄首相が記者会見を開き、ロシアの個人・団体に対する資産凍結、半導体の輸出規制などの追加の制裁措置を発表。各国が連携し経済面での圧力を強めている。

 だが、プーチン大統領がウクライナ侵攻の手を緩める気配はなく、今のところ経済制裁は抑止力になっていない。欧米はさらなる経済制裁に踏み切るのだろうか。焦点になっているのが、国際銀行間通信協会(SWIFT)からロシアを排除する制裁だ。

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