ユーグレナと投資ファンドのアドバンテッジパートナーズ(AP)が、青汁で知られるキューサイ(福岡市)の買収を決めた。買収額は400億円程度とみられる。今夏から始まった入札では、「思ったよりも多くの関心を引いた」(投資銀行幹部)と言われ、当初想定されていたよりも人気の案件となった。

コカ・コーラとの相乗効果を引き出せていなかった
コカ・コーラとの相乗効果を引き出せていなかった

 今回、キューサイを売りに出したのはコカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス。2010年にキューサイを約360億円で買収したが、その後は相乗効果を出せていなかった。キューサイ買収に反対し続けた米本社の意向もあり「ほとんど放置していた」(コカ・コーラ関係者)という状態で、時間だけが無為に過ぎていた。

 キューサイを買収した当時の経営陣の影響力などが薄れてきたこともあり、今回、ようやくキューサイの売却を決めた。ただ、キューサイは「テレビショッピングによる販売が主流でやり方がやや古いし、商品も画期的とは言えない。欲しいとまでは思わない」(食品業界関係者)という声が多く、買い手がどれだけ集まるのか注目されていた。

 コカ・コーラがファイナンシャルアドバイザーとして起用したのはバークレイズ証券。海外にもネットワークを持つ外資系証券会社を起用することで、国内だけではなく海外からの買収希望者も集めようとしたことがうかがえる。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り1044文字 / 全文1605文字

日経ビジネス電子版有料会員なら

人気コラム、特集…すべての記事が読み放題

ウェビナー日経ビジネスLIVEにも参加し放題

バックナンバー11年分が読み放題

この記事はシリーズ「M&A深読み裏読み」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。