ホームセンター大手のDCMホールディングスが完全子会社化を目指し友好的TOB(株式公開買い付け)を実施中の島忠に、家具・日用品大手のニトリホールディングスが触手を伸ばしている。ニトリは敵対的買収になるのを覚悟で対抗TOBの準備を進めており、DCMとの間で島忠争奪戦になる可能性が出てきた。ニトリ参戦の報道を受けて島忠の株価は急上昇しており株主には朗報となった。一方、島忠の経営陣はDCM、ニトリ、そしてアクティビスト(物言う株主)の三方から包囲されるのは必至で、「困り果てている」(島忠関係者)ようだ。

島忠が展開するホームセンター、ホームズ。巣ごもりの需要をとらえている(写真:アフロ)
島忠が展開するホームセンター、ホームズ。巣ごもりの需要をとらえている(写真:アフロ)

 「ニトリが対抗TOBを仕掛けるというニュースを知ってびっくりした。ありがとうと言いたい」。自らが率いるファンドを通して島忠株を8%強保有している物言う株主、村上世彰氏は10月21日、日経ビジネスの取材にこう語った。村上氏はここ数年、ずっと島忠に投資し「経営陣と株主価値の向上を巡ってやりあっていた」という。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り1509文字 / 全文1925文字

【春割/2カ月無料】お申し込みで

人気コラム、特集記事…すべて読み放題

ウェビナー・音声コンテンツを視聴可能

バックナンバー11年分が読み放題

この記事はシリーズ「M&A深読み裏読み」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。