経営危機に陥り上場廃止となったパイオニアが虎の子を売りに出した。パイオニアを買収したアジア系ファンド、ベアリング・プライベート・エクイティ・アジアのもと経営再建を進めている真っ最中だが、カーナビなどに高精度のデジタル地図情報、位置情報を提供する完全子会社のインクリメント・ピーの売却手続きに入ったことが明らかになった。ベアリングによる買収時点で「パイオニアの価値の大半を占める」(交渉に関わった証券会社幹部)ともいわれたインクリメント・ピーを手放そうとしているパイオニアはどこに向かうのか。

カーナビは市販と、完成車メーカー向けのOEM供給の双方を手掛けている
カーナビは市販と、完成車メーカー向けのOEM供給の双方を手掛けている

 ベアリングは2019年、1000億円強を投じ、経営危機で存続が危ぶまれていたパイオニアを買収した。カーナビなど主力事業の低迷で銀行にも見放された結果、ファンドによる救済しかパイオニアには選択肢が残っていなかった。

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