外食大手のコロワイドは9日、定食チェーンの大戸屋ホールディングス(HD)への敵対的TOB(株式公開買い付け)が成立したと発表した。コロワイドの持ち株比率(議決権ベース)はこれまでの19.16%から46.77%に高まり、子会社化がほぼ確定したと言える。大戸屋HDはコロワイド傘下になると「店内調理やおいしさが維持できなくなる」と訴え抵抗してきたが、株主を引き留めることはできなかった。今回のTOBの戦いの場は株式市場、つまり「マーケット」であって「キッチン」ではなかったのが敗因だろう。

大戸屋HD買収を目指したコロワイドに対し、大戸屋HDは一貫して「コロワイドのセントラルキッチンが導入されれば、店内調理の良さ、大戸屋の味が失われてしまう」(窪田健一社長)と株主に訴え続けてきた。創業者精神とも言える、店内キッチンで生み出される味へのこだわりを前面に押し出して戦ったとも言える。
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